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中国のキャラクター版権への意識はかなり高まってきている

300英雄

中国情報サイトの36Krで「LINE FRIENDS、中国の全店舗閉店へ、一時は人気爆発もライバル乱立で苦戦」という記事がアップされていました。

36Krの記事によると「2015年の進出当初は調子が良かったが、快進撃は長く続かず、徐々に飽きられてきた。またネット販売では海賊版が横行し、正規版は値段で太刀打ちできない。店舗閉店後もライセンス事業は継続するが、近年は中国企業の人気キャラも増えてきたため、新たな活路を見出さない限り生き残りは厳しそうだ。」と締めくくっています。

漫画やアニメ、ゲーム産業の歴史が長い日本が生み出すキャラクターは中国でも人気が高く、中国国内はそんな日本のキャラクターの違法グッズで溢れていました。ただ近年は、中国でも版権への意識がかなり高くなり、法整備も進んできたことで、違法キャラグッズを見る機会は明らかに少なくなったようです。

LINE FRIENDSグッズの自販機、購入している人を見かけたことはありません

この36Krの記事を読んでいる時に、とある上海のゲーム会社のことを思い出しました。そのゲーム会社の名は「上海跳跃有限公司」、英語名は「SHANGHAI JUMP」です。

ナルト、悟空、コナン、ミカサ等が登場するMOBA系ゲーム

中国名だと「シャンハイ・ティヤオユエ」と呼びづらいので、ここでは「上海ジャンプ」と呼ぶことにします。

上海ジャンプ、実は日本の漫画・アニメ、ゲーム業界ではかなり悪名高い会社です。理由は、上海ジャンプが展開している「300英雄」というMOBA形式のゲーム内で、日本のありとあらゆる人気キャラが勝手に登場させられていたからでした。

ちなみに300英雄では、キャラを選択するのではなく「スキン」を選択することで、表面上それっぽいキャラになれる、という設定です。

「MOBA」とはマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナの略、つまりマルチ対戦型ゲームです。

自分の大好きなアニメキャラでバトれる、とあって2012年12月にリリースされた300英雄は、当時アニメオタクやコアゲーマーを中心に大きいゲーマーコミュニティを形成していきました。

キャラスキンは選びたい放題

福建省の同じ村出身の同級生4人組で設立した「上海ジャンプ」は、登場する人気キャラにあやかったゲーム「300英雄」をリリースしたことで、わずか4年間で社員数250名を抱える中堅ゲーム会社に急成長しました。

中国国内の版権整備が一気に進む

その後、2017年頃から中国の版権における法整備が進むにつれ、違法キャラがゲームに投入できなくなったことで「300英雄」人気は徐々に下火になっていきました。

一時期の勢いを完全に失った上海ジャンプ、現在40代の創業者たちは、少年期に日本の「週刊少年ジャンプ」に憧れた世代。まるで週刊漫画雑誌のように様々な異なるキャラが登場するゲームをプロデュースする会社にしたいと社名を「ジャンプ」にしたのかもしれません。

中国の版権法整備が一気に進んだことで、上海ジャンプのように衰退していく企業があれば、逆にこれを商機ととらえ、オリジナルキャラを生み出し、ビジネスを急成長させていく企業もあります。今後、中国からどのようなオリジナルキャラが登場してくるのか、色々な意味で、楽しみにしたいと思います。

最後にラインフレンズの全店舗撤退に関してですが、高い家賃がペイできるほどはグッズが売れていないのもあるのでしょうが、最大の理由は、ネット販売が加速していることだと思います。

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