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新中国コーヒー事情ラッキン、スタバ、マナーコーヒー(上)

ラッキンコーヒー

トランプ元大統領が米国で上場している一部の中国企業に対し、上場廃止の指令を出したのはまだ記憶に新しいところですね。

現在、上場廃止手続きが進められている中国企業は、建設、資源、通信、ハイテク関連ですべて国の根幹を支える業種ですが、そんな中、コーヒー販売を業態とする、とある中国企業も「不正会計の発覚」により一足先に上場廃止に追いやられました。その企業こそ、中国のスタバと呼ばれ、ここ2、3年の間に急成長した「ラッキンコーヒー」です。

ラッキンコーヒーの驚くべき成長戦略と超短期間での米国上場を果たした事業展開モデルには、私たちが学ぶべき多くのことがありますが、この企業の物語については、またいずれ別の機会に語ってみたいと思います。

「新中国コーヒー事情」では、スターバックス中国の成長、ラッキンコーヒーの快進撃と没落、そしてスターバックスの新たなライバル「マナーコーヒー」の出現まで、時間軸に沿って話を進めてみようと思います。(上)では、中国におけるコーヒー市場の歴史からお話しします。

中国のコーヒー市場は2005年から

2000年初頭、上海市内でコーヒーが飲める場所はかなり限られていました。高級ホテルのラウンジ、欧米人が開いたカフェ、あとは上海市内に5〜10店舗あった台湾系コーヒーチェーンの「真鍋珈琲」と「上島珈琲」ぐらいでした。

当時ローカルコンビニで売られていた「ちまき」が一個2元(30円)であるのに対し、コーヒー1杯が25元(400円)。庶民からしたら、なぜそんな黒くて苦い飲み物に「ちまき」の十倍以上のお金を出すのか不思議でならなかったはずです。

私が「コーヒー飲みたいなぁ」と言う度に、中国人の友達は口を揃えて、「咖啡很苦不好喝(コーヒーなんて苦いだけで美味しくないじゃん)」とか、「晚上睡不着(夜寝れなくなるよ)」と言われていた時代でした。

その後、甘ったるい粉末インスタントコーヒーが出てきたり、台湾系の不味い缶コーヒーがコンビニで買えるようになったりしたものの、定着するには至らず。

さらに月日が経ち、2005年ごろから市中心部の高級オフィスビルやショッピングモール内に「スターバックス」がぽつぽつと出店し始めました。

当時スタバに入ってくる客は、外人か華僑系ビジネスマンぐらいで、店員はみんな英語が話せ、接客対応も素晴らしいものでした。

ブランド力を高めるスタバ

2005年〜2010年のスタバの事業展開はそれほど速くはなかったものの、市中心部の主要エリアには必ず1店舗は出店し、上質なカフェ空間と購買体験で上海、深圳、北京を中心にブランド力を高めていきました。

当時、中国人は版権に対する意識がほとんどなかったため、スタバのパクリ店(主に個人経営店)がいくつも現れ、堂々と営業していました。

スタバの中国名が星巴克であるため最も悪質なパクリカフェ
パロディー店またはインスパイア系カフェとしてギリギリ許せれるのではないか

フラペチーノで中国人の心をつかむスタバ

さらに月日が経ち、上海人の同僚たちがスタバに通い始めたのは2010年ごろからでした。彼ら、彼女らがいつも手にしていたのは砂糖たっぷり、生クリームたっぷりなフラペチーノ。

そうなんです。フラペチーノこそが今日の中国巨大コーヒー市場が形成される最初のキッカケだったのです。

その後、同僚たちもさすがに糖分の過剰摂取を心配し始めましたが、すでにコーヒーに対する抵抗は完全に無くなっていました。

新中国コーヒー事情(下)に続きます。

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