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新中国コーヒー事情ラッキン、スタバ、マナーコーヒー(下)

マナーコーヒー

新中国コーヒー事情(上)では、スタバのブランド力拡大とフラペチーノ人気までお話ししました。

スタバの中国全土への出店攻勢と飽和

大都市の主要エリアを押さえたスタバは2015年からさらに出店攻勢を強め、大都市の中心地なら1ブロックに1店の割合、少し郊外でも駅近の主要なオフィスビルかショッピングモールには店を構えるほどになりました。これにより、市中心部に限って言えば、マクドナルドとケンタッキーを合わした店舗数よりも多くなっていました。

店舗が爆増し、大衆化していくスタバの店内環境とサービス品質はじわじわ低下しました。まず店員のスマイルが消え、そして掛け声も「Hello, what would you like?」から「你好,你要什么?」に。この頃には、あのスタバのプチセレブ感は完全になくなっていました。

ちなみにスタバの日本市場でのパートナーは「サザビーリーグ」でしたが(2014年に子会社化)、中国市場のパートナーは台湾の「統一企業グループ」です。現在も統一企業が運営しているようですね。

ラッキンコーヒーの躍進の裏で進むサードウェーブの動き

ラッキンコーヒーの設立が2017年。それからわずか2年間でスタバの中国国内の店舗数を超えたことが大きな話題になりました。

朝の1杯のコーヒーがまだ習慣化されていなかったオフィスワーカーも、ラッキンの割安感ある値段設定と便利な注文&デリバリー体験により、長い月日をかけることもなく、毎日のコーヒーが一気に定着していきました。

ラッキンの味はというと、決して不味いわけではなく「普通に飲める」レベルのものですが、値段がスタバの半分程度で「コスパかなり高め」が毎日の購入につながったのでしょう。

アプリ上で完結する注文、受け取り、さらにはデリバリーまで、ラッキンコーヒーがもたらした革新的な各種サービスは、当時の飲料、飲食業界に新風を巻き起こした。

この頃、上海や北京のトレンドに敏感な一部の若者の間では、サードウェーブコーヒーが流行する兆しがすでに出始めていました。日本でブルーボトルや焙煎方法、豆にこだわったカフェが話題になってから1、2年後のことです。

また日本へのインバウンド旅行がちょうど大ブームで、日本旅行中に体験したサードウェーブカフェの味と雰囲気にハマったという中国人もきっと多いに違いありません。

ラッキンコーヒーの凋落とマナーコーヒーの出現

上場廃止の影響を受けたラッキンの凋落を横目に、上海を中心にブランド力を高めているのが、新しいスタバのライバルと言われている「マナーコーヒー」。2021年3月時点で店舗数は100を超え、出店速度が増しています。

中国において急成長する企業には必ずと言っていいほど、良からぬ噂が立つものですが、このマナーコーヒー、ネットでも良い評判しかないというかなり稀有なブランドになっています。

顧客に支持されているマナーらしいサービスの一部

  • マイボトル持参で1杯5元引き(70円)
  • マイパック持参で焙煎コーヒー豆20元引き(300円)
  • 焙煎日や豆の産地が確認できる

といった感じで、エコで豆の産地や鮮度にこだわりを感じる、とてもサードウェーブ的なブランドとして消費者に認知されています。

マナーコーヒーが店舗数でスタバを超えることは今後もないと思いますが、しかし私を含め、中国都市部の若者の目には、マナーのブランドはすでにスタバと同等か、スタバ以上のものとして見えているような気がします。

必要以上には飾らないシンプルなスタイル

最高級コーヒー豆のブルマン、ゲイシャが富裕層に大人気

中国のコーヒー市場、一人当たり消費量は日本ほどではないしても、国の総消費量はすでに世界で1、2位であり、また「ブルマン」や「ゲイシャ」などの世界最高峰の最上級グレード豆の消費量は確実に世界一であることは、ほとんど知られていません。

事実、上海や北京で名を馳せる超一流の焙煎師が焙煎する最高級豆は、わずか100グラムが500元(7,000円)の値段であっても販売と同時に売り切れてしまうほどの人気ぶり。実に恐るべし消費力&購買力です。

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