20代の女性が作ったラーメンブランド「拉面説」が「2020年の天猫(Tmall)で最も期待できる新人ブランド大賞」を受賞しました。この女性の名は姚启迪(ヤオ・チーディ)。
商品1つで天猫のインスタント食品部門の売上トップとなり年間売上は2億5千万元(43億円)を達成、2018年の「フォーブス30歳未満クラス」でリスト入りを果たしました。
ヤオさんはどのように実現したのでしょう。
「時短メニュー」分野の徹底攻略
2015年、英国マンチェスター大学卒業後に帰国したヤオさんは、自分でビジネスを始めようと考えていました。ファッションや美容などの分野は得意ではなかったため、別の分野で模索を始めました。
食へのこだわりを持っていた彼女が選んだのは「時短メニュー」分野でした。
たくさんある時短メニューの中で、ヤオさんは最終的には自分が大好きな「麺」から始めることにしました。ラーメンです。

彼女とパートナーがインスタント麺市場を分析したところ、2011年から2016年にかけて、中国のインスタント麺製造業の規模が減少しており、最も低い時期であることがわかりました。
多くの人は、このような市場に参入することはリスクが大きすぎると考えますが、ヤオさんは、業界が低迷期にあることは、改善の余地が大きく、逆にチャンスだと考えたのでした。
そこで彼女たちは、どうすればおいしいインスタント麺ができるかを考え始めました。
輸入食品展示会で見つけた日系企業のスープの素
何百回もの試行錯誤を経て、最終的に選ばれたのは、賞味期限60日の半乾きの生麺。 麺が決まると、今度はスープの素とトッピングについて考えないといけません。

ヘルシーでおいしいスープの素を求めて、上海のラーメン屋を何軒も回ってみたものの、自分の好みのものはなかなか見つかりません。輸入食品の展示会で見つけた日系企業のスープの素をベースにレシピをアレンジし、何度も味を調整してオリジナルスープを完成させました。
スープの次はトッピングです。パッケージ写真と実物の詐欺ギャップの問題をなんとか解決したいと考えていたヤオさんは、平均7cmの大きなチャーシューを選び、さらに7種類のトッピングを加えることにしました。
100人の友人、2000人のテストチームで検証を繰り返す
商品は出来つつあるものの、さてどのように販売するか。この新しい商品に消費者はお金を払ってくれるだろうか。商品の完成形が見えてきたことで、新たな疑問が出てきました。
ヤオさんたちは100人の友人を招待して商品を試してもらい、ウィーチャットでグループを立ち上げて商品について議論し、継続的な最適化を図り、ターゲットとなる顧客をホワイトカラーや独身の社会人に設定しました。
ターゲットが決定すると、今度は2000人のテストチームを作り、味付けやパッケージを検証し、そして新ブランドの「拉面説」が完成しました。
2017年、タオバオで「拉麺説」の第一弾の商品が発売され、初日だけで500件以上の注文が入りました。しかし歓喜する間もなく、すぐに大量出荷の問題に直面しました。なぜなら「拉麺説」はまだ3人のチームだったからです。
その後、チームは拡大を続け、初期の3人から100人以上になりました。そして2017年の「双11(11月11日)」の売上は300万元(4500万円)を超えました。
インスタント麺業界での競争力を高めるために、拉麺説は研究開発を続け、第二弾の商品はわずか46日で完成しました。

現在、拉面説には10種類以上の味があり、消費者の味の好みに幅広く対応しているようです。
研究開発だけでなくマーケティングにも力を入れる拉面説
拉面説は、商品の研究開発に力を注ぐだけでなく、マーケティングにも力を入れています。 コンテンツマーケティング、ソーシャルコマース、ライブコマース、拉面説はこれらすべてに適切に対応しました。李佳琦(Austin Li)氏との7回目の仕事ではオンラインで1秒間で280万元(4200万円)を売り上げました。

その後、拉面説のブランド力は高まり、2018年に天猫(Tmall)の旗艦店が開設され、同年の双11の売上は1000万元(1.5億円)を超えました。
2019年の「618(6月18日)」では、8分間で即席麺部門の1位となり、2億5千万元(37.5億円)の売り上げを記録しました。
まだ20代のヤオさんが、ITやテクノロジー分野ではなく、非常に古典的な食品分野で起業してわずか3年でフォーブスリスト入りしたことは、かなり異例なことかもしれません。しかし拉面説の成功は偶然ではなく、数え切れないほどの努力の結果です。ヤオさんの起業ストーリーからは学べる点がたくさんありそうですね。
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