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最近街でよく見かける潮玩(ミニフィギュア)流行ってるぽいけど、実際に売れているの?

潮玩

写真のようなミニフィギュア、街で見かけたことはありませんか。自宅近くのデパートに「雑貨社」というおしゃれな雑貨ショップが入っていて、店内の一角にはこのようなミニフィギュアがずらりと並んでいるのですが、買っているお客を見たことがありません。流行っている感はありますが、実際に売れているのでしょうか。

最近ずっと気になっていたところ、「北京商報」でこの潮玩(ミニフィギュア)についての記事を見つけました。

記事はこんな感じです。


潮玩(ミニフィギュア)メーカーは何百社もありますが、広く知られた馴染みあるメーカーはほんの一握りです。「潮玩」市場が拡大するにつれ、より多くの企業がこの業界に参入しつつあり、そして盲盒(ブラインドボックス)は新たに市場に食い込む際の最初のプロダクトになることが多い。

ただしスタートアップの場合、発注量が小さくコスト高になるという問題や、一般的な市場ニーズとデザイナーの理念のギャップなどの問題もあり、事業として利益を得ることはそう容易ではなさそうだ。

潮玩市場に続々と参入する新規メーカー

個々のブラインドボックスは、可愛く個性があり、作り込みもしっかりしているため、消費者から大きな注目を集めており、近年、多数の企業がこの業界に参入している。名創優品(MINISO)は「TOP TOY」というブランドを立ち上げ、百度貼吧(バイドゥー)も「HOT Duu」という新ブランドを設立した。「52TOYS」が開催した「潮玩展」では、出展メーカーの数が400件を超えた。

アイメディア・コンサルティングが発表した「2021年第1四半期の潮玩業界の市場調査分析レポート」によると、中国の潮玩経済の市場規模は2020年に294.8億元に達し、2021年には384.3億元まで上昇するという。この巨大な市場には、当然ながらパイを狙う企業が多数集まり、「今や潮玩を買う人より、売る人の方が多い」という声も聞かれるほどだ。

天眼査(企査査のような企業・版権調査サイト)によると、2020年末時点で、中国には「潮玩、潮流」といったキーワードが入った名称の企業、または潮玩という言葉を含む商品ラベル、プロジェクトブランドなど、潮玩関連の企業が少なくとも800社あるという。

「52TOYS」の陳威(チェン・ウェイ)会長は、「この新しい業界はクールダウンする必要があります。今は加熱気味で、地に足がついていない状態ですが、今後1~2年の間に今あるメーカーの多くは撤退していくのではないでしょうか。」と付け加えた。

新しいメーカーは、ブラインドボックスを参入の入り口として、潮玩市場全体を切り開いていくことになるだろう。2021年の中国の消費者が購入する潮玩のセグメントには「ブラインドボックス(ミニフィギュア)」、「手工芸品」、「本格フィギュア」の3つがある。そして潮玩グッズを購入する消費者の63%がブラインドボックスを好むという結果が出ている。「潮玩市場の構造はピラミッド型で、ピラミッドの一番下にブラインドボックスがあり、最も多くの消費者を抱えています。上に行けば行くほど、客単価は高くなるため、消費者は少なくなっていきます。ブラインドボックスが最初のきっかけとなり、そして一部の消費者はフィギュア・コレクターになっていくでしょう」と陳威会長は語る。

「潮玩」市場のニーズとアートのバランス

ブラインドボックス業界に参入するのはそれほど難しくはないが、この業界で大きな収益をあげたいと思っていても、短期間で達成することはほぼ不可能だ。

「HOT Duu」のマーケティング部長の迪丽娜(ディ・リナ)氏は「ブランド設立から7ヶ月が経ち、現在の客単価は50元程度。小売店への卸価格は商品価格の50%ほどで、商品コストは50%より少し高い程度ですので、小売店で売れる度に赤字が重なっていきます」と言う。

潮玩スタートアップ企業の場合、大量生産に踏み出せないため、高い収益をあげることができません。「轮子小马工作室」の主任である岳川翔氏は「ブラインドボックスの客単価は59元、大型ぬいぐるみの客単価は458元〜688元で、ブラインドボックスのコストは基本的に商品価格の半分以下ですが、この商品は初期のプロジェクトであり、他の小売の玩具のように大量生産ができないため、コストを抑えることができません。なぜなら、ブラインドボックスの場合、6万個の注文が来たとしても、それは非常に少ない注文量だからです」と言う。

また、収益性については「現段階では、スタジオ運営を維持することに問題はありません。しかし、新製品は短期的には収益に結びつかないかもしれません。プロダクト開発に関わるデザイナーが増え続け、すでに市場に出ているプロダクト、量産中のプロダクト、開発中のプロダクト、そしてまだ設計中のプロダクトと、一連の流れが形成されていきます。この流れが動いていると、常に新しいプロダクトが市場に入ってきます。」

市場での販売とデザイナーの個人的な理念のバランスは、潮玩ビジネスが直面する問題だ。「DREAMFAIR」の創設者であり、「原型創作コンテスト」の主催者でもある郑鸿升(ゼン・ホンシェン)氏は「多くのデザイナーは、独自のスタイルと理想を持っていますが、市場が必ずしもそれらを受け入れてくれるとは限りません。ですので市場のニーズに合わせてプロダクトを作るか、あるいはデザイナーの個性を尊重するか、いずれにしても判断するのは市場です」と答えた。

「52TOYS」の共同設立者である黄今(ホァン・ジン)氏は、市場とデザイナーの個性的なセンスのバランスについて、「私たちは721のルールを持っています。製品の70%は一般消費者の現在の需要に応えるもので、これはブランドのライフサイクルの一部です。製品の20%は、会社と資金とエネルギーを市場の次の段階を育成するための実験的な仕事のために投入します。製品の10%は、非常に実験的で未来的な、かなりニッチなものですが、芸術性を重視した部分です」と述べている。

クリエイティブであること

ブラインドボックスのメーカーは数多くありますが、消費者の心をつかんでいるメーカーは一握りです。アイメディア・コンサルティングのデータによると、中国の消費者が好きなブラインドボックスのメーカーは10もないことがわかりました。現在のブラインドボックスのメーカーの多くは、消費者の「見た目」への要求に応えているだけで、IPに対する需要は不規則で偶発的で、さらにブランドロイヤリティは高くないため、一度市場が冷めると、多くの消費者が離れていくというリスクがある。 したがって、クリエイティブ性を高めることは、消費者の粘着性を高める唯一の方法であり、今後のブラインドボックス産業の発展にとって非常に重要だ。

「カルチャー産業とクリエイティブ産業には共通点があります。クリエイティブであり続ける限り、次々と新しい作品が生まれ、人々が楽しんで好きになり、共感を得ることができます。創造性がある限り、市場は飽和しません。」と陳偉会長は強調する。

この点については、黄今氏も同じ考えだ。「中国のフィギュア市場は非常に大きく、まだまだ開拓可能な消費者市場がたくさんあります。今、株式市場で激しい競争をする必要はなく、いかにして新しい消費者を開拓するかを考えるべきでしょう。」

フィギュアの歴史は、欧米では100年、日本でも60年以上の歴史があります。しかし中国市場については、これまで5、6年しか形成されていません。黄今氏は、「中国市場はまだ発展途上であり、フィギュアの真の価値はまだ発見されていません。現時点では、一部の消費者の間にだけ活気がある小さな波でしかありませんが、今後この波は一般消費者を巻き込んで大きな波になるでしょう。」

おわり


実際に売れているかどうかイマイチわからなかったので、天猫で「潮玩」のキーワードで検索してみました。

結果は月間の売上げが5000個の潮玩シリーズが2件、3000個が2件、2000個が3件、と続きます。個数だけみたら多いように感じますが、中国の市場規模を考えると5000個は爆発的に売れているとは言えません。

個人的には、強いIPが育つ背景(アニメ、ゲーム、漫画など)がないと、消費者の心をつかむことはできない、と近所の店舗で「潮玩」グッズを見ながら思いました。

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