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中国の熱い越境ライブコマースの始まり、乗るしかないこのビッグウェーブに(上)

越境EC

中国メディア「正和島」から「越境ECの新しいビッグビジネス」を紹介します。


多くの人は気にしていないだろうが、注意して見ると、ふと気づくことがある。

知らず知らずのうちに、たくさんの輸入モノの日用品を買っている。お決まりのフェイスマスク、化粧品、有名ブランドのバッグ、口紅、赤ちゃん用グッズ、ヘッドフォン、ゲーム機などなど。

これらの越境商品は、日常生活の一部になっている。

このことは過去2年間の越境ECの急成長をデータが裏付けている。2020年の税関のデータによると、中国における越境ECの輸出入総額は1兆6,900億元で31.1%の増加となった。このうち輸出は1兆1,200億元(40.1%増)、輸入は0兆5,700億元(16.5%増)だった。

越境ECを楽しむ多くが、職場のエリート、ホワイトカラーなどの95年以降生まれの若者で、00年以降生まれの人たちも増えつつある。

なぜ若い人たちは海外商品の買い物を好むのだろうか、特に輸入モノの日用消費財において。

1つの理由は、マクロ環境のおかげで、どんどんオープンになっているからだ。

もう1つの理由は、消費者の高度化という大きな流れの中で、人々の所得が上がり、モノに対する需要が多様化し、自分の好みに合った最高の製品を探すために、グローバルレベルでの活動を行うようになってきたことだ。

越境EC業界もこの2年間で大きく変化している

1)需要の変化

70年代、80年代生まれの人々にとって、海外商品の買い物は贅沢なものだったかもしれない。しかし、90年代生まれ、95年以降生まれの人たちにとっては、海外商品の購入が習慣化しており、特にZ世代の購買力が強くなってきている。製品の安全性や品質に対する要求が高くなり、製品の選択の幅も広がることを望んでいる。

2)供給面での全面的な加速

消費者のタイムリーなニーズに応える中国の主要都市では保税区や保税倉庫の建設が加速しており、多くの越境EC企業が保税倉庫を重視し始めている。

3)新しいショッピング体験を求める

より重要な傾向として、消費者は新しくて刺激的な購入体験を求めている。

この2年間で、消費者の関心はショートビデオやライブストリーミングに移行している。ティックトックECとベインアンドカンパニーが発表した最新の報告書によると、5G時代には、ショートビデオやライブストリーミングコンテンツの質と規模が爆発的に向上し、ショートビデオやライブストリーミングのユーザーの月間平均利用時間は20.7時間と、2019年と比較して約9%増加し、ユーザーの滞在時間が長くなっている。

若い人たちは、モノを買えれば良いのでなく、気持ちよくスムーズに買いたいと思っている。以前は、消費者はウェブページを見て商品を購入していたため、商品の詳細まではしっかりと理解していなかったが、動画やライブ配信の時代になった現在は、多くの企業が生産工場を直接公開してライブ配信を行い、商品の生産・製造過程を消費者に見てもらうことで、消費者がより安心して購入できるようになっている。

ショートビデオやライブストリーミングの時代には、コンテンツとショッピングが融合し、消費者はショッピングをしながらコンテンツを楽しむことができる。しかし、視聴者に「新鮮さ」と「刺激」を与え続けるだけの魅力的なコンテンツでなければ、消費者はすぐに「チャンネル」を切り替え、別のところに移ってしまうだろう。

このように、海外商品のショッピングユーザーは質の高い商品や斬新なショッピング体験を求める層だ。オフラインでは輸入品が並ぶスーパーマーケットに行くのが好きで、オンラインでは斬新で高品質、そしてユニークな輸入品を購入したいと考えている。

越境ECビッグビジネス、どうやってチャンスをつかむ?

海外通販のトレンドが変化している中で、越境ECという新たな成長市場を獲得するために、ブランドをどのようにサポートすればよいだろうか。

先ほど、ショッピングをしながらコンテンツを楽しむという消費者の変化について記述したが、Eコマース時代における新しい変化に言及する必要がある。それは「興味EC」だ。

2021年ティックトックEC経済圏開発レポートには、このような興味深いデータが掲載されている。

食品関連

・江蘇省のユーザーは海産物を買うのが大好き
・上海のユーザーは、季節の果物を買うのが大好き
・遼寧省のユーザーは、さくらんぼが大好き
・90/95年代以降の広西チワン族自治区の女子は螺蛳粉(タニシのビーフン麺)に目がない
・北京、上海、杭州の95年以降生まれは、自嗨锅(インスタント飯)の一番の購入者

タニシのビーフン麺
自嗨锅
趣味やエンタメ関連

・北京人と70代以降生まれはスマートヒーター付きダウンジャケットの良き購入者
・北部、上海、広州のZ世代は最新の任天堂スイッチが大好き
・95年以降と00年代生まれの人は流行の潮玩を良く買う、上海人は消費額が全国1位

健康関連

・70年代以降生まれの男性は抜け毛対策商品の購入率が高い
・山東省の80年代以降生まれの男性は、健康シューズを購入する傾向がある

上記のように、消費者は「好み」によって「細かくセグメント化」される。地域、年齢、性別、文化が異なる消費者は、異なる関心を持っているということだ。

そのため「興味EC」は非常に有望だ。実際、好みに合わせたEコマースの取引量は増加しており、次の3つの主要な条件に基づいている。

  • ショートビデオやライブストリーミングが主流になってきている
  • パーソナライズされたレコメンデーション技術はますます洗練されてきている
  • コンテンツクリエーター(ライバーやインフルエンサー)が増えてきており、良質のコンテンツによって良質の商品が紹介されるようになった

これらの3つの条件を踏まえた上で、消費者にとって「興味EC」は、実は発見と創造のプロセスなのです。 従来のEコマースは、ある意味で「オフライン」を「オンライン」に置き換えたものであり、新たな需要を喚起するものではなかった。

例えば、以前は洋服や口紅、携帯電話などを買いにモールに足を運んでいたが、今は(商品が置いてある)棚が変わっただけだ。

しかし、「趣味・関心ネットショッピング」は違う。ティックトックの趣味・関心ネットショッピングは、消費者が興味を持つコンテンツをパーソナライズされた形でレコメンドし、「潜在需要」を掘り起こすことで、新たな市場を開拓する。

海外商品販売に特化したプラットフォーム「洋碼頭」がスタートしたのは2011年、まだスマートフォンが普及していないPCの時代だった。この間、数え切れないほどの越境EC企業が没落していったが、「洋碼頭」は年々大きくなり、収益も伸びていった。

「洋碼頭」の共同創業者である蔡華氏は、越境EC事業の経験から、「ユーザーを深く理解し、ユーザーの関心事を把握する」という非常に重要なポイントを語っている。

この10年で海外商品購入者は大きく変わったと蔡華氏は考えている。まず、70年代生まれ、80年代生まれの高度情報化社会を生きるこの世代の若年・中年層は、子供の成長を気にかけており、海外での買い物の大きな理由は子供の健康への心配から来ている。フランスではどんなベビーシャワージェルがいいのか、ドイツではどんなブランドの粉ミルクがいいのか、よく理解している。

今や海外商品購入者は、美容、食、ファッション、趣味の幅が広がり、さまざまな関心を持った多くの人が自分に合った海外商品を探している。

蔡華氏は、ショートビデオコンテンツがこれからのトレンドだと考え、2019年に入り、「洋碼頭」では「星図」を通じてインフルエンサーに協力を求め、商品を使ったショートビデオを開始した。

ティックトックのEC越境事業を知った蔡華氏は、これはチャンスだと思い、「洋碼頭」はティックトックECに参入し、商品を使ったライブコマースを行う最初の海外ライブコマース・プラットフォーマーの1つとなった。

ティックトックでは、今年の4月から、全球寻宝一直好奇(好奇心旺盛に世界宝探し)をテーマに、越境事業IPイベントを毎月開催している。「一直好奇」というタイトルからもわかるように、世界のお宝を集め、インフルエンサーによるライブストリーミングやショートビデオを使ったチャレンジ大会などで、海外ブランドたちのマーケティングの流れを作ることを目的としている。

「海外輸入商品ウィーク」の期間中、ティックトックECは、より多くのタレントやライバーを紹介したり、商品PK大会などの活動を企画するなど、海外商品を扱う代理店に重要なマーケティングリソースを提供している。

先日終了したばかりのティックトック越境事業の「海外輸入商品ウィーク」イベントでは、173の海外ブランドと代理店が参加し、22人のインフルエンサーを団結させ、50件以上のライブストリーミングを行い、「#全球购进口周(海外輸入商品ウィーク)」のトピックでは1億2千万件を超える視聴があった。その中で、「毛光光」はインフルエンサーの中でナンバーワンとなり、「越境EC」の最初のライブストリーミングの流通取引総額は1億元を突破し、累積視聴者数は107万人、オンラインでは最大10万人近くに達した。

今回の「海外輸入商品ウィーク」では、「洋碼頭」の海外旗艦店が代理店リストの1位となり、イベント期間中の流通取引総額は6,527万元を超え、イベント前の2週間と比較して1355%の増加となった。

何度か「海外輸入商品ウィーク」イベントに参加した蔡華氏は、「毛光光」や「马帅」といったトップライバーおかげで1回のイベント売上で1億元を突破することができたと言う。「ライバーの力が想像以上だ、自社の商品が全て無くなってしまった」と嬉しい悲鳴をあげた。

马帅と毛光光

トップライバーの参加、高品質なコンテンツによる後押し、プラットフォーマーによるイベント支援とEC運営により、ティックトックECの越境事業は「洋碼頭」のような代理店がショートビデオとライブストリーミングに活路を見出すための手伝いを一緒にしている。

中国の熱い越境ECライブストリーミングの始まり、乗るしかないこのビッグウェーブに(下)」に続く

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