中国メディア「至味財経」から「なぜ日本の実店舗はEコマースに負けないのに、中国は負けたのか。3つの理由」を紹介します。
今日、中国でネットショップを使わない若者はいないだろう。2000年以降、中国のEコマース業界は軌道に乗り始め、非常に速いペースで発展しており、近年では若年層だけでなく中高年層もネットショッピングの便利さを実感しており、ほぼすべての年齢層を取り込んだ。
その結果、アリババ、京東、拼多多(ビンドウドウ)などのEコマース大手が台頭し、膨大なユーザー数を頼りに急成長を遂げ、ますます注目を集める業界となっている。Eコマース業界を牽引してきた馬雲(ジャックマー)、劉強東、黄峥は中国の超富裕層となり、ジャックマーは3年連続で中国一の資産家となった。
Eコマースの急速な普及により、実店舗の閉鎖が珍しくなくなってきており、多くの貿易都市や大型ショッピングモールはどこも客足の減少に悩まされている。さらにここに来てTikTokや快手を使った「ライブコマース」が追い討ちをかけている。

アリババは国内小売大手の「大润发」を買収しアリババ・ブランドの「盒马」で統一し、スーパーマーケット小売大手の「永辉超市」は京東およびテンセントと戦略的提携を結んだ。その一方で、Eコマースの強い影響を受けたカルフールやメトロなどの外資系小売企業は市場を失いつつある。
カルフールの親会社が、ラオックスの親会社でもある中国資蘇寧グループであるため、正確にはすでに中国企業になっている。

しかしながら、すべての国で同じ状況になっているわけではない。
例えば、日本は中国よりも早くEコマースが始まり、QRコードの技術は日本で発明されたものの、結局は中国で普及した。現在、日本の実店舗は、まだ消費者が足を運んでくれている状況で好調であるし、Eコマース業界はぬるま湯のようで、イマイチ盛り上がりに欠けている。
日本の実店舗はEコマースと共存、もしくは優位性を保つことができているのに、中国ではどうやらそれが難しそうだ。ここで「日本では実店舗がネットショップに負けていない3つの理由」を紹介しようと思う。
日本の実店舗のサービスは素晴らしい
第一に、日本の実店舗で受けるサービスが優れている。なぜ多くの人が酸菜魚専門店「太ニ」で魚を食べるのが好きなのだろうか? 最も重要な要素の一つは、サービスが非常に優れており、お客様の体験を違ったものにすることだ。
日本にはEコマースの優位性があまりない
第二に、日本にはEコマースの優位性があまりないという点だ。中国のEコマースであれば、サービス開発を推し進め、購入体験をより良いものにすることができる。焦点はやはり安さ、そして価格の透明性、偽りのない商品、実店舗で199元の商品がネットだと99元などだ。消費者が自然にネットで購入することになるのに十分な要素を備えている。なぜ価格を抑えることができるのか。それは中国が「世界の工場」で、商品のほとんどが中国で生産されているからである。
通常では、商品の流通においては中間業者が多く存在することになるが、Eコマース企業が工場から直接商品を入手すれば、実店舗の優位性はなくなり、Eコマース企業は「価格競争」によって消費者の支持を得ることができる。
しかし、日本やアメリカなどの先進国は海外(主に中国)から輸入しているため、日本の零細業者が調達面や価格面で優位性を持つことは難しいというわけだ。
日本の実店舗の賃料はそれほど高くない
第三に、日本ではEコマースプラットフォームの使用料が高く、実店舗の賃料はそれほど高くないことがある。日本は先進国であり、関連分野の法規制が非常にしっかりしている。Eコマースの管理も厳しく、Eコマースにおいても税金が徴収されるものであり、そしてネットショップの価格と実店舗の価格に差がほとんどないため、Eコマースが自然に発展するということはない。
逆に中国のEコマースの初期の成長段階はカオスでしかなく、取り締まるための法規制もなかった。
さらに重要なことは、日本の実店舗の家賃が中国に比べて高くないことだ。東京の店舗家賃が高いことを除けば、他の都市は高くはない。中国では、この20年ほどの間に急速な不動産開発が進み、不動産価格の急激な上昇により、店舗賃料も上昇し、実店舗の運営を大きく圧迫してきた。
中国の実店舗はEコマースに完全に負けてしまったが、日本の実店舗はEコマースにまだ負けていない。しかし、日本の実店舗がEコマースに負けないというよりも、様々な制限から、日本のEコマースに中国ほどの勢いがないと言った方が正しいかもしれない。
おわり

2011年春、私は半年ほど前に購入したHTC HERO(Android1.5)でそれなりに満足していたが、会社の同僚たちが次々と最新のiPhoneに乗り換えつつある状況に、軽い危機感を持っていた。
当時、iPhoneを持てるということは「有能である証」であり、単に「クール」で片付けることができないほどの圧倒的な差があった。貧富の差が激しい中国ではこれは当然のことだ。

影響を受けやすい私は、自分が手にしているHTCが急にチープなものに見え、徐家匯の電脳城にiPhone4を見に行ってみることにした。暇そうにしていた店員を見つけ、声をかけた。
私:苹果的手机有吗?(アップルのスマホ見せて)
店員:大苹果还是小苹果?(大きいアップル?それとも小さいアップル?)
私:当然是大苹果的咯 多少钱?(当然大きい方だ、いくら?)
店員:大苹果的5千,小苹果的1千7(大は5千元、小は1.7千元)
最後はトイレの話でもしているのではないか、と勘違いされる方もいるかもしれないが、ここで言う大きいアップルは「本物のiPhone」、小さいアップルは「偽物のiPhone」を意味する。本物が買いたいけどそんな大金はない、でも「デキる感は出したい」客向けに、しっかりと偽物を用意しているということだ。
中国の実店舗もなかなか客思いなサービスを提供していたとは思うが、若干、方向が間違っていたのかもしれない。