中国メディア「鉄血視世界」から「テスラは上海のギガファクトリーで生産量を2倍にする予定だが、なぜ誰も反対しないのだろうか?長所が短所を上回っている?!」を紹介します。
地球の気候変動が激しくなるにつれ代替エネルギーの利用がますます増えるのが今後のトレンドだ。そのような中、ここ数年の電気自動車の台頭により、現在の自動車市場で最も注目されている次世代の製品となっている。特にテスラは、スマートフォン市場におけるアップルのような「アニキ」的な存在だ。今年、テスラは生産量と販売量の増加に伴い、時価総額が1兆2,000億ドルを超え、イーロン・マスク氏は世界で最も裕福な男となった。
電気自動車ブームのセカンド・ビッグウェーブは、各国のカーボンニュートラル計画の策定がきっかけとなることは間違いない。
テスラは、アメリカの現地需要の高まりとドイツのベルリン工場建設の遅れという二重プレッシャーを解決するため、社内調整を行い、上海のギガファクトリーの拡張を決定した。具体的には、プレス、ボディ、塗装、最終組み立て他、いくつかの工程の生産ラインを最適化し、効率性と生産性の最大化を狙う。
特筆すべきは、今回の工場拡張計画により、上海ギガファクトリーの従業員も4,000人ほど増員され、合計19,000人になることだろう。
もしこの計画がうまく進めば、これまで45万台の年産能力しかなかった上海ギガファクトリーが今年度中に55万台の生産目標を達成することも可能となる。改修後のギガファクトリーの年生産台数は100〜150万台に達する見込みで、世界ナンバーワンの電気自動車生産工場になるという目標も達成される。

このニュースを見た中国人ネットユーザーからは「テスラは2万人近くの雇用を生み出し、大変素晴らしいが、国産ブランドはテスラの倍増計画に危機感を覚えないのだろうか」という声が上がる。
テスラのギガファクトリーが導入された当初、国内では様々な議論が湧き起こり、反感を持つ人も少なくなかった。しかし実際には、テスラが中国で国内生産されていなければ、中国の国産ブランドがここまで急速に台頭することはなかったのではないだろうか。つまり、電気自動車が台頭してきた頃、国産ブランドは基本的に低価格帯のローエンド製品だったが、テスラが加わったことで、ハイエンドの波が押し寄せ、小鵬(XPeng)、微来(NIO)、理想(LiAuto)などが国産高級電気自動車メーカーの代表となることができたのだ。
またテスラは大衆市場に対応するために、モデル3とモデルYのエントリーモデルを30万元(500万円)以下にしたことで、中国のEV市場のローエンドとハイエンドの両方の市場を確保していることは注目に値する。

中国の国産ブランドは、低価格帯の車で販売量を伸ばし、高価格帯の車で高級市場を開拓するという役割分担が完全にできあがっているが、もしテスラがいなかったら、どれだけの中国人消費者が高価格帯の電気自動車の購入を検討しただろうか。そう考えると、テスラは中国に技術を持ち込んだだけでなく、中国市場を開拓し、国産高級メーカーが台頭するための時間とコストの削減にも貢献したことになるのではないだろうか。
おわり