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象印が中国家電ギャランツによる買収的行為に対しポイズンピルを始動するか、2月の株主総会が注目される

象印

中国メディア「第一財経資訊」から「ギャランツ、日本の象印のポイズンピル計画に反対、両社の共同製品が第3四半期に市場展開される」を紹介します。


中国家電最大手のギャランツが、象印に対し再度2人の社外取締役候補を推薦し、2022年2月に開かれる象印の株主総会でギャランツ側の取締役案を採用し、象印によるポイズンピルの始動を撤回することを望んでいるようだ。ギャランツのグループ副総裁である梁惠强氏は、象印とギャランツが共同開発した製品は、おそらく2022年の第3四半期頃に市場に投入されることになるだろうと述べた。ギャランツの今回の声明に対し、象印からの公式な発表は出ていない。

ギャランツ

ギャランツは、中国国内はもちろん、世界の電子レンジ業界のリーディングカンパニーとして、近年、立て続けにM&Aを行い、事業の多角化と国際化を積極的に推進している。象印へは、グレート・フォーチュン・インターナショナル・ディベロップメント・リミテッドを介して出資を行い、出資比率も2020年1月には13%、そして2021年10月には15.5%へと引き上げられ、同社は象印の単独筆頭株主となった。2021年3月、梁惠强氏は「両社の共同事業は多岐に渡り、ギャランツは象印の日本および海外市場における新たな分野の家電ジャンルの開発製造を支援し、また中国市場においては両社の事業統合がより一層加速することを期待している」と述べていた。

しかし、2020年のギャランツ創業家による象印の取締役候補の提案は、象印の株主総会で否決され、2021年の両社による資源の連携は、まだ具体的な結論に至っておらず、現在、象印の運営をめぐって両社間で摩擦が起きている状況だ。2022年1月11日、象印は、「株主提案に対する当社取締役会の意見表明のお知らせ」とともに、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を発表した。買収防衛策は、一般に「ポイズンピル」と呼ばれ、敵対的買収に対処するためのものだ。

ギャランツは、2022年1月18日、日本法人のウェブサイトにおいて、上記の状況について、象印の製品および能力を高く評価し、象印とギャランツが新製品を共同開発することを常に支援してきたという内容のコメントを発表。また、象印は経営状況を改善し、積極的に世界市場に参入していくことが必要不可欠である、とも述べている。

ギャランツは上記のコメントの中で、買収防衛策は外部からの不当な脅威に対抗し、株主の利益を守るための有効な手段であると述べる一方、そのような脅威がない場合、ギャランツは、この象印の買収防衛策の導入は、第一に、市場が株式の希薄化を懸念し、株価下落のリスクを高めること、第二に、業務改善が遅くなり、企業価値が上がらない可能性があることから、同社と株主の相互利益にとって不利益になるという見解も示している。特に象印の場合、創業者一族がすでに株式資本の約22%を保有しており、さらに互いの持ち合い株比率は少なくとも7.5%で、約30%となり、このような状況で買収防衛策「ポイズンピル」を導入することは、過剰な防衛行為であるといえる。

2022年2月17日に開催される象印の株主総会では、ギャランツ創業家が指名する新任取締役候補が採決されるかどうかはまだ不透明な部分がある。梁昭賢氏は「2年前とは違い、今は、ギャランツが短期投資ではなく、より長期的な投資であることを時間が証明してくれているとし、他の主要株主がギャランツの行動を見て、もっと評価されることを望んでいる」と述べた。

梁惠强氏はメディアのインタビューで、象印はブランド、製品、人材に投資すべきだったが、配当や必要のないものに多くのリソースを費やしてしまったと述べ、「非常に残念だ」との見識を出した。「象印の海外事業は、日本での事業よりも高い成長率を示しており、グローバル化戦略が非常に重要になってきている。 国際事業の拡大には、さまざまな能力・経験を持った人材が必要であるため、株主提案によってその責任を果たしてほしい」と付け加えた。

日本市場も近々大きな変化が起きるはずで、今は安心できても、将来に備えることが大切である。

ギャランツと象印の共同開発は順調に進んでおり、梁氏は2022年の第3四半期には、日本市場を皮切りに販売できるのではないかと予想している。新製品は、ギャランツの中国工場で生産されるが、ギャランツが技術提供をしており、製造の提供だけに固執する必要がないため、共同開発した製品は将来的には他のメーカーを通して販売しても構わないとも考えている。

中国企業による日系企業の買収は、10年以上前にハイアールが三洋電機の白物家電事業を買収し、事業変革に成功した経験がある。中国機械電子電器輸出入商会分会の周南秘書長は、第一財経記者に対し「新型コロナウイルス流行下においても、中国エレクトロニック&家電企業の国際化のペースは減速していないだけでなく、その方法もより洗練されつつある。製品を輸出するだけではなく、国際化の過程で技術革新とデジタル変革能力を高めることをより重視するようになった」と述べた。

おわり


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