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上海浦東空港から飛び立った中国製大型旅客機「C919」が引き渡し前の3時間の最終テスト飛行を終える

2021年2月、私は上海の日本人エリア、古北(グーベイ)地区の外れにあるスタバで中国人の友人と1年半ぶりに会っていた。

彼と知り合った2014年頃、彼は自身が立ち上げたネットマーケティング会社のCEOの座を部下に任せた直後で、以降、複数のスタートアップ企業の立ち上げとエンジェル投資をしながら、趣味の飛行機の操縦ライセンス取得とマラソンのため、世界中を飛び回る生活をしていた。

新型コロナ発生以降、彼が何をしているか気になったため、微信(ウィーチャット)で声をかけるとすぐに返事がきた。

「〇〇路のスタバにいるよ、来る?」

ジョギングで向かえば30分ほどの距離だ。

「オッケー、30分後に着くと思う」

2020年は私がほとんどの期間を日本で過ごしていたこともあり、彼と再会したのは実に1年半ぶりだった。それまで彼とは半年に一回の頻度で会っていたが、会うたびに新しいことをしている奴だった。株、ビットコイン、テックからアートまで、最新の動向について中国人視点で世界の最新トレンドについて語る彼の話は、私にとって常に強い刺激剤となっていた。

その日も、コロナ発生以降、彼がどこで何をしていたかという質問から会話が始まった。

新型コロナの見えない恐怖が世界を覆っていた2020年の1年間、彼は「海南島」にいた。中国のハワイと呼ばれる常夏のリゾートアイランド、わずか10数年前までは田んぼを耕すための牛が放し飼いされているほどのどかだったこの島は、今もう一つの顔を持っている。ゼロ関税政策による自由貿易港だ。

2020年から始まった「自由貿易港を目指す」という中国の新しい政策が、国内外の目ざとい投資家やビジネスマンらの注目を集め、この島に多くのビジネス機会と投資が集まってきているのだ。彼もご多分に漏れず、そんな投資家の一人なのだが、彼が海南島で始める新しいビジネスは「航空機のリーシング」だ。

「クリエイティブなビジネスじゃないし、ファイナンスのノウハウが重要だからよく知る会計士と、あとは弁護士がいれば成り立つ事業だよ。退屈だけど、でもチャンスはある」

正直に言うと、彼から「飛行機リースの新事業」の話を聞いていた私は、まったくピンとこなかった。2020年はコロナ禍でJALやANAはもちろん、世界中の航空会社が大赤字を出し、航空業界の株価が軒並み底値をつけていた時期だったから尚更である。

それから1年以上経った2022年5月14日、日本では連日、上海ロックダウン関連のニュースばかりが報道されている裏で、上海浦東国際空港から飛び立った一機の中国製大型旅客機「C919」が引き渡し前の3時間の最終飛行テストを終わらせ、空港に戻ってきた。

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