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年間2兆円以上を海外で稼ぐ中国モバイルゲーム

中国メディア「華商稲略」から「年間1,000億ドル稼ぐ!? 中国のモバイルゲームに欧米人がどハマりし、議論のマトに」を紹介します。


2022年、最も収益性の高い産業のひとつに「ゲーム」がある。

Newzoo社の報告書によると、2021年の全世界のゲームプレイヤー人口は30億人、ゲーム市場は1,758億ドル(20兆円)に達し、ギャンブルやヘルスケアといった従来の収益性の高い産業を上回るそうだ。

これだけ儲かるビジネスで、中国はパイの分け前にありつけることができのだろうか?

今日のビデオゲーム産業の先駆者は間違いなく、日本の任天堂だ。この企業は中国がまだ清の時代、光緒帝によって治められていた時に設立された。

ビデオゲームの発祥は、1947年に登場したアメリカのトーマス・T・ゴールドスミス・ジュニアとエストル・レイ・マンが設計した陰極線管娯楽装置(ブラウン管式娯楽装置)が世界初となる。この年、中国は解放戦争に突入していた。

中国企業はゲーム産業で先行者利益を得ていたわけではない。

しかし、幸いなことに、ゲーム市場は比較的公平な競争の場であり、ゲーム開発で何十年もの経験を持つ業界大手が、新興のゲーム会社に対して独占的な優位性を持つことはほとんどない。

ゲーム業界は強固な産業チェーンを必要とせず、上流の巨大な原料供給も必要なく、顧客層も安定しておらず、また、どの企業も金鉱にしっかりと腰を据えることができないため、新しい設備、新しい技術、新しい流通方法にいかに寄り添うことができるかが競争力となる。

1980年代、ゲームが中国に広まって以来、中国のゲーム産業は活況を呈している。手探りから始まり、模倣の段階を経て、今爆発的な勢いを見せている。

ゲームの世界的な人気の潮流は、世界中のすべてのゲームメーカーは同じスタートラインに戻り、従来のゲーム大手のリソースや技術的な優位性はほぼすべてゼロになった。

中国のゲームメーカーに、かつてないチャンスが到来したというわけだ。

海外の大手ゲームメーカーを前に、中国のゲームメーカーは後発ではあるが、本質的な優位性を持っている。

中国の5G通信インフラが近年急速に発展したおかげで、国内プレーヤーにとってモバイルゲームの開発、テストから市場投入までの障壁は皆無である。

新たにリリースされたゲームは何億人もの国内ゲーマーによって瞬時にダウンロードされ、プレイされ、膨大な数のフィードバックに迅速対応することで、国内ゲームメーカーは急成長している。

さらに、新型コロナウイルス禍により世界中の人々が能動的あるいは受動的にオタク文化を受け入れている状況が続いていた。

巣ごもりを選択する人が増え、実体経済に壊滅的な打撃を与えている一方で、オンライン経済の発展にとって、かつてないほどのチャンスが到来した。

このチャンスはゲーム産業の市場規模にそのまま反映されている。

Convergence TechnologySensorTowerが共同で発表した「2022年中国モバイルゲームの海外進出白書」によると、2019年度の中国のモバイルゲームメーカーの海外での収益規模は89億ドル、2021年には160億9000万ドルに増加したことが記載されている。わずか2年間で収益はほぼ倍増した。

ゲーム業界は盛り上がりを見せているだけでなく、明るい未来が待っている。これまでのところ、ゲーム市場はまだ急速に拡大しており、中国のゲーム産業の実際の海外売上高は現在1,000億ドルを超え、2026年には2,200億ドルに達すると予想されている。

中国にとってモバイルゲームが海外進出することの意義は、単にお金を稼ぐことよりもはるかに大きいかもしれない。

2000年前後の20年間、中国は外国文化の影響下にさらされた。ビデオゲームに含まれる文化的核心は、多くの中国の子どもたちに影響を与え、さらには生涯を通じて彼らの世界観や価値観を形成した。

海外のゲームによって、中国のユーザーはその国の価値観を身につけ、イザナギ(古事記)、黙示録の四騎士、オリンポスの神々といった西洋や日本の伝統的な神話、スチームパンク、サイバーパンク、クトゥルフ神話といった西洋の近代技術的な考え方を学ぶことができたのだ。

だから、ゲームが海外に出るというのは、実は一種の文化の交流であり、文化の輸出である。

中国のゲームがすでに海外に影響を与えているのは心強いことであり、中国文化が世界へ進出する上で重要なことと言える。

昨年のヒット作「黒神話:悟空」は、何十万人もの外国人に「西遊記」の背景や物語を知らしめた。「ソードアート・オンライン3」はベトナムのオンラインゲーム市場の70%を占め、中国の武術と歴史が東南アジアで深く普及した。

モバイルゲームでは、2021年に中国発の29タイトルのモバイルゲームが欧州でTOP100に入り、合計21.1億ドルの収益を上げた。バトルロイヤル系のPUBGモバイルは欧州で一躍話題となった。

中国のゲームにはその土地ならではの特色があり、海外のユーザーはすでに中国の古典神話体系や三国志の歴史物語を学ぶために中国のゲームを利用している。

少し前まで、中国市場は巨大で国内メーカーは国内のケーキを食べれていればいいという考え方が常にあった。しかし、古いやり方に固執しても、徐々に劣化していくだけであることは歴史が証明している。中国のゲーム市場規模は大きいとはいえ、世界の30億人規模の市場こそが、真の強さの舞台となるのである。

長い歴史を持つ文化大国の中国には、無尽蔵に文化遺産がある。インフラ、技術人材、国内市場の支援を受けて、中国のゲームは積極的に海外に出て、中国の「航天時代」を作り上げるべきでしょう。

おわり


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