2ヶ月間の上海ロックダウン中は完全引き篭もり生活だったが、朝昼の食事は玄米と簡単な野菜料理だけを食べ、晩飯を抜く生活を続けていたせいか、すこぶる体調がよかった。
その後、ロックダウンが解除されて会社に出勤できるようになったのはいいのだが、ロックダウン中に健康食生活に意識が行き過ぎたあまり、コンビニ飯やファストフードが食べれなくなってしまった。
その上、会社付近のレストランや食堂もまだ再開のめどがたっていないようで、どこも開いていない。仕方がないので、最近は正午に一旦帰宅して、自宅で玄米を食べるようになった。そして食卓に欠かせない調味料が中国の国民的チリソースの「ラオガンマー」だ。
中国在住の方であれば一度はスーパーで手に取ったことはあるだろうし、日本を含む世界中のチャイナタウンにある本格中華系輸入食材スーパーには必ず置いてある。また最近の「ガチ中華」人気の後押しもあり、「成城石井」や「カルディ」などのオシャレ系食材スーパーでも取り扱っているようで、日本でも見聞きしたことがあるという方も多いのではないだろうか。
ではこのラオガンマー、どんな食材かというとずばり「食べるラー油」だ。そしておそらく桃屋の「食べるラー油」シリーズのネタ元でもあるだろう。
私は玄米にこの「ラオガンマー」をぶっかけただけの健康なんだか不健康なんだかよくわからない簡素な昼食に満足している。少し物足りないときなどは、冷えた豆腐にもラオガンマーをぶっかければ、そこらの麻婆豆腐の旨さを軽く超えてくるため、非常に重宝する。是非試してもらいたい。
前節が長くなったが、今回は中国メディア「捜狐美食」から「国民的チリソースのラオガンマーが価格高騰で食べられなくなる」を紹介します。
中国国内はもちろん、世界中で販売されている有名なチリソース「ラオガンマー・老干媽」が、全国の取扱い小売店に対し、2022年3月1日から値上げする通知を出した。今回の値上げ幅は約6〜10%だそうだ。
インターネット上に流れた値上げの公文書を見ると、ラオガンマーは値上げの原因を原材料費、人件費、運送費の上昇によるものと説明している。このニュースが流れるとネットユーザーは大きく反応した。「ますます手が届かない調味料に」や「値上げは良心的な範囲」など様々だ。

「ラオガンマー」は自らの手で作り上げたもの
製品の顔にもなっている創業者の濤華碧(トウさん)は、1989年、貴州に冷麺(冷やし中華)を主に扱う小さな食堂を開いた。以来、トウさんが作る絶品ソースが広く地元民に知れ渡ったことを機に、トウさんは、同業他社のように胡椒や醤油、かやくなど用意するだけではなく、オリジナルのチリソースの開発に着手した。これが現在のラオガンマーの前身となる。
1996年、トウさんは町に2つの小さな工場を借り、40人の従業員を雇って、チリソースの製造に特化した事業を始めた。彼女のチリソースは、最初はほんの数軒の小さなレストランから始まり、その後、スーパーや食材店、軍部隊の食堂などでも販売されるようになり、やがてラオガンマーのチリソースは貴州省全域にその名が知られるようになった。

翌年の1997年8月、トウさんは貴州に「貴陽南明老干媽風味食品有限公司」を設立。その後、22年間の苦闘の末、2019年、ラオガンマーの年間売上は過去最高の54億9000万元(1,000億円)に達し、名実ともに中国ナンバーワンのチリソースブランドとなった。
おわり
余談だが、中国人に言わせるとラオガンマーの会社は、お金に目が眩んで上場する訳でも、有名人を起用した大々的なプロモーションをする訳でもなく、ただただ地道に自社商品の改良に努め、自慢の味と値頃感ある価格を武器に販路と販売量を拡大させている優良な一族経営企業だそうだ。
ラオガンマーは日本にも総代理店があるようで情報を見ようとWebサイトのリンクをクリックしたら思わず笑ってしまった。というのも、Webサイトが、無料ブログシステムの「WordPress」の既定テンプレートそのままだったからだ。
彼らほどのブランド力を持つ調味料メーカーにとって、オシャレなWebサイトなど必要ないのかもしれませんね。