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広汽トヨタが満を持して中国市場にEVの「bZ4X」を投入、中国の専門家はどう見ている?

10月10日、中国市場での投入が遅れていたトヨタ「bZ4X」がついに発売されました。bZ4Xはトヨタが製造するミッドサイズSUV型EVとして、海外では昨年10月に展開されていました。中国市場で販売されるbZ4Xは5つのタイプがあり、最も安いEliteが20万元、長航続Eliteが23万元、長航続Proが25万元、X-MODE四駆Proが27万元、X-MODE四駆Ultraが29万元で、いわゆる大都市の中流層をターゲットとした価格帯である20〜30万元となっているようです。

上海で暮らす私が見て、市内を走る普通車のすでに4台に1台は新エネルギー車(EV、PHV、FCV)になっているように感じます。このEV化の大波は上海を中心に中国全土に広がっていて、2ヶ月に1回の頻度で出張する北京でも、市内を走るテスラや国内EVブランド車が爆増しています。

思えば中国市場のEV化の潮流は、新型コロナとほぼ同時期にやってきたため、早3年近くが経とうとしています。現在のEV市場をよくある産業のプロダクトライフサイクル(黎明期、成長期、成熟期、停滞期/衰退期)に当てはめてみると、黎明期はすでに終わり、すでに成長期に入ったといえるのではないでしょうか。

テスラはもとより、中国国内の新興EVブランドたちはこの2〜3年の間にスタートダッシュをかけ、安価な小型モデルの一点特化でぶち抜くメーカー、早々にすっ転んでしまったメーカー、堅実に売上を伸ばし続けるメーカーなど三者三様です。

まだまだ話題に事欠かない中国のEV業界、引き続き動向を追っていこうと思います。

今回は中国メディア「正和島」から「大手メーカーも続々とEV市場に進出する中、最後に勝利をつかむのは誰?」を紹介します。


2009年、アリババグループの「タオバオ」はダブルイレブン(11月11日に開催されるネット販売の祭典)という熱狂をゼロから生み出し、以来10年、中国の消費市場で最もホットな話題となった。今、この「熱狂づくり」と同じくらい熱いのが、産業界挙げての「クルマづくり」の祭典だ。

6月8日、バイドゥ(百度)とジーリー(吉利)は463日かけて製作した初の自律走行ロボット「ROBO-01」を発表した。これは自律走行に特化した車型ロボットのコンセプトカーとなっている。

同じような光景は「シャオミ」でも起こった。8月11日、創業者の雷軍氏は2022年の年次スピーチで、シャオミ社内で500人の自律走行開発スーパーチームを結成し、33億ドルを投資して第一段階の計画を進め、140台の車両を全国でテストすると話した。

一部の人々は自律走行を「ギミック」と考えているかもしれない。しかしこの祭典では、IT大手だけではなく、バッテリーメーカー、既存の大手自動車メーカーが入り乱れて巨大な潮流を生み出し、群雄割拠の戦国時代に突入している。

合弁大手自動車メーカーの参入

群雄割拠の騒乱は、業界の急速な新陳代謝とブランドの差別化という結果をもたらした。

中国自動車工業会の統計レポートによると、2022年1月〜8月の新エネルギー車(EV、PHV、FCV)の全国販売台数は前年同期比120%増の326万台、新エネルギー車市場の普及率は同期間25.2%(2021年14.8%)に上昇した。

またこのレポートでは興味深い状況も明らかにされた。新エネルギー車という時代の潮流の下、既存の大手自動車メーカーからの独立系EVブランドの業績が、新興系EVブランドの業績を大きく上回ったのだ。年平均成長率を100%とした場合、1月〜8月の成長率で上回ったのは独立系EVブランドばかりであり、新興系ブランドはすべて下回った。

AIONは広州汽車の独立系EVブランド

このトレンドは独立系ブランドだけでなく、急成長という点においては業界をリードする合弁ブランドにも当てはまる。ハイブリッド市場をリードする広汽トヨタの今年1月〜8月までの新エネルギー車の販売台数は、前年同期比104.7%増の約21万台となった。

データは常に正しい情報を与えてくれる。新興メーカー、独立系メーカー、合弁メーカーの3つの勢力が織り成す中国の自動車市場は、新エネルギー車市場をより活性化させ、消費者により多くの選択肢をもたらしている。

結論から言うと、大手自動車メーカーは現在の高い市場占有率と技術力の総合力を用いて全面的な綱引きをしているのである。その結果、スタートダッシュの加速力では新興メーカーが勝っていたが、序盤以降では総合力を持つ大手自動車メーカーの合弁ブランドが勝つことになる。

このような市場の変化の背景には業界の大きなトレンドがある。

自動車メーカー側から見ると、現在の新エネルギー車市場は、継続的かつ力強い成長の第2ラウンドに入るにあたり、EV市場の普及率を見る限り、合弁ブランドにとってまだ多くの市場が残っている。2年間のカオスな黎明期を経て、中国のEV市場の競争は次の成長期に突入した。

高い市場占有率と技術的な優位性、それが多くの大手自動車メーカーの底力だ。例えば、広汽トヨタが長年蓄積してきたハイブリッド技術の優位性により、EV市場でも容易に市場のパイを奪いに行くことができる。

消費者側から見ると、EV市場はアーリーアダプター期を終え、アーリーマジョリティ期に入った今、大手自動車メーカーが急速に市場のパイを伸ばしつつある。なぜなら、この市場セグメントの購買者は製品の安定性と信頼性を重視するからだ。

つまり、EV自動車を買う目的が、単に価格の安さや目新しさを求めるだけでなく、本当の意味での安心感を求めるセグメントに移ったのだ。

今回、bZ4XをEV市場に投入する広汽トヨタは、まさにこの一連の市場の変化に対応するものであるといえる。

広汽トヨタの強力な電動化基盤は、技術、マーケット、サポートなどあらゆる面で反映されており、bZ4Xではその素晴らしさをたくさん確認することができる。

1つ目は、トヨタの電動化技術における膨大な蓄積だ。トヨタは25年の開発期間を経て、貴重な電動化ノウハウを積み重ね、電動化のコア技術のさらなる高度化を進めているる。トヨタは、材料や構造の最適化により、2030年までにバッテリーコストを30%削減し、さらには全固体バッテリーの搭載を順次実現する計画だ。

技術的にEVより断然複雑なHEV(ハイブリッド)の技術に導かれたe-TNGAアーキテクチャを採用したトヨタ初のEVモデルは並外れたものであることは容易に想像がつく。なによりも「まずは技術開発を、市場は後から着いてくる」という開発モデルは、むしろ産業界全体が学ぶべきとても価値あるものだ。

2つ目は、新エネルギー車市場での蓄積だ。広汽トヨタはハイブリッド市場のリーダーとして、ハイブリッド車の販売台数と市場占有率で業界トップであり、電動化モデルの合計販売台数は70万台を超えている。

2021年には80万台以上を販売し、広汽トヨタの総販売台数は今年1~8月で60万台を超えている。ガソリン車から新エネルギー車への移行が加速する中、年間100万台近いユーザーを抱える広汽トヨタは、EV車においても最大のポテンシャルを発揮することができる。

価格帯から見ると、現在の新エネルギー車市場はハイエンドとローエンドの二極化というダンベル型の特徴があり、20万〜30万元の市場セグメントはブルーオーシャンであると言える。例えば、ハイブリッド車は高価格帯に集中しているのに対し、業界の売れ筋ブランドの多くは10万元前後の安価モデルだ。中価格帯のbZ4Xは、その中間のブルーオーシャン市場をリードする存在になる可能性は高い。

経済学者の何帆氏の著書「変数4」で、業界のプレイヤーたちは自らの「比較優位性」を持つ必要があると指摘している。広汽トヨタのbZ4Xを見ると、その比較優位性は独自の高度な技術とユーザーベースにある。

トヨタは歴史的にハイブリッドモデルを2000万台以上販売し、バッテリーシステムによる事故ゼロの記録を打ち立てている。業界トップであり電動化の巨匠である広汽トヨタが、市場転換後においてもその地位を占めることは間違いない。

安心安全は最高の贅沢

EVメーカーの乱立は業界の混乱を招いた。

この混乱は特に安全面において大きな問題を引き起こしている。電池の自然発火や火災が繰り返し発生しているからだ。中国応急管理部消防局の報告によると、2021年に中国国内で発生した新エネルギー車の火災は3000件以上にのぼった。

しかしながら、バッテリーの自然発火よりも大きな問題はバッテリーの品質問題かもしれない。自動車品質ネットサービスの統計によると、2021年にプラットフォームに寄せられた苦情のほとんどは、車両のパワーロス、航続距離不足、運転中断、充電不能などバッテリー寿命と密接に関係する分野に集中している。

こうしたバッテリーを主とした安全性の問題は、業界の混乱下で進化し続ける過程において、自動車メーカーがユーザーに対してどのように良心的な本物の製品を提供すべきか、という業界の核心に迫るものである。

広汽トヨタのbZ4Xは、業界に新しい風を吹き込もうとしている。

トヨタの高いQDR(Quality、Durability、Reliability)の優位性と成熟したEV化技術を背景に、広汽トヨタのbZ4Xはユーザーに高品質のEVを提供するために厳しい基準を遵守し、10年後に電池容量の90%を維持することを目標に開発された超長期耐久性パワー電池を初めて搭載している。

長寿命バッテリーの裏には、広汽トヨタの安全に対するあくなき追求と実践的な探究心が見え隠れしている。bZ4Xは、バッテリーの安全性を高めるため、長年トヨタの電動化モデルを開発してきた安全思想を継承し、素材、構造、制御システムなどあらゆる面でバッテリー寿命を確保し、安心安全なEV体験を顧客に届ける。

またbZ4Xは、乗員、キャビン、バッテリーを守る全方位衝突対応構造を採用し、より安心なドライブを実現している。新しい技術により、電池の故障を予防し、タイムリーに検出することができるため、電池を十分に保護することができる。

装備面でも、bZ4Xは技術的な先進性と使いやすさを両立させ、充実の技術革新を実現している。

どの新興メーカーにも劣らない最新世代の「TSS 3.0 Smart Driving Safety Assist Package」を搭載しているし、待望の物理ボタンもセンターコンソール下に配置した。EV専用アーキテクチャ「e-TNGA」をベースに、高剛性・低重心設計を実現し、ユーザーにとって「運転しやすく、素早く使える」クルマに仕上がっている。また、X-MODEの4輪駆動のオフロード性能と広々とした空間は、究極のドライビング体験を実現している。

また販売・サービス面においては、EV専用のオンライン・オフラインサービスを立ち上げている。WeChat内の「広汽トヨタbZミニアプリ」を通じて、ユーザーはオンラインで車の見学や購入サービスを体験でき、将来的には緊急救助用充電サービスもオンラインで利用できるようになる予定だ。

オフラインでは、広汽トヨタが中国国内15カ所のエネルギー販売・体験センターを新設するほか、322の販売店に新エネルギー専用スペースを開設し、2025年までに全国660店舗をカバーする予定だという。

品質や安全性、快適性、便利なサービスなど、広汽トヨタが目指すものはただひとつ「お客様に末永く安心して使っていただくこと」だ。

広汽トヨタはいつでも信頼できるブランド

電動化の十分な技術を持つ広汽トヨタによって開発されたbZシリーズは、ベストなタイミングでリリースされた。

いいクルマには自動車メーカーが追求する飽くなき価値観が込められている。広汽トヨタの場合、ユーザーを核とした長期的な価値を構築し、広汽トヨタの戦略的選択に組み込むということだ。

計画によると、全方位電化は広汽トヨタの重要な戦略となっており、2035年までにトヨタの電気自動車モデルを100%にするとしている。何十年も前からバッテリーシステムで「事故ゼロ」を実現してきたトヨタブランドは長引きそうなEV戦国時代でも同じことができそうである。

世界の新エネルギーと中国の「ダブルカーボン」戦略の強い政策風を受けて、真の技術蓄積とコアコンピタンス、それに企業責任を備えた広汽トヨタは、間違いなくさらに躍進するだろう。

おわり


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