近年の中国ブランドの発展ぶりには目を見張るものがあり、日本人からしたら危機感しか覚えませんね。
ついこの前まで中国の有名ブランドといえば、パソコンやスマートフォンなどの電子機器だけでしたが、最近ではゲーム制作であったりファッションデザインであったりと、よりクリエイティブな分野にも影響力が広がってきている状況です。
少し例を挙げるだけでもこんな感じです。
上海のゲーム会社、MIHOYOの「原神」は去年、日本でも大ヒットしました。少し古いですが、ネットイーズの「荒野行動」、そしてこれまた上海のゲーム会社、Yostarが制作した「アズールレーン」も数年前ですが日本でもかなり話題になったゲームです。

またファッション業界でも、高級ブランドの「SHANG XIA」、カジュアルファッションの「SHEIN」が世界でブランド力を高めています。

食品や繊維などのローテク産業から精密機器やITなどのハイテク産業、そしてこれまで中国があまり得意としてこなかったクリエイティブの分野でも中国ブランドが力を持ち始めました。これまで表舞台で活躍できる機会がほとんどなかった中国人デザイナーやアーティストが脚光を浴びる時代が来ているようです。
ところでそんなデザイナーやアーティストが卒業した大学、特に中国の美大について少し掘り下げて話をしてみます。
中国のツートップ美術大学「中美・央美」
中国人に「中国の美大だとどこが良いの?」と聞くと、8割型「中美、央美」という答えが帰ってくるようです。少し調べてみると、中国美術学院と中央美術学院、それと清華大学美術学院がトップ3みたいで、その他5つほど有名美大があるみたいです。
「SHANG XIA」の創始者兼デザイナーのジャン・チョンアーさんは、上海の「同済大学」の芸術設計部を卒業しています。同済大学はプロダクトデザインや建築分野でとても有名な大学ですが、美大ではありません。
ちなみに中国の美大入試は日本の美大と同じように学科試験の他に実技試験があります。実技試験は木炭デッサンや鉛筆デッサンが多いみたいです。ちなみに杭州の中国美術学院を卒業した上海人の友達の話だと「入試倍率は50〜100倍、ずば抜けた描画センスはもちろんのこと、実力以上に運も必要」とのこと。確かにそれだけの倍率だと、運またはコネ、、が必要そうです。
美大卒のその友達は、某大手米国IT企業でUIUXデザイナーとして経験を積んだ後、世界的な米系広告会社でクリエイティブディレクターのポジションを獲得して社会的成功者になっていました。
今年激しい競争を勝ち抜いて美大に入った学生たちが卒業する頃には、活躍の場がさらに増えているでしょうか。あると良いですね。