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チームビルディングや社員旅行が原因で会社を去る中国人社員(上)

社員研修

パフ・ダディが「誰か(サンプリングする)ネタをくれ!」と叫ぶ姿を思い出しながら、中国メディアを漁っていたら、見つけました。

いつものメディア「深燃」から「20kmのハイキング、アイランドリゾートのはずが写経させられ、仕事を辞めたくなった。」という記事。

さっそくどうぞ。


会社の「チームビルディング」や「社員研修」あるいは「社員旅行」、これらは社員の多くが不満に思っている社内活動の1つになっているようです。

チームビルディングは本来、チームの結束力を高めるためのもの。すべてのチームビルディングが悪いわけではありませんが、社員たちにとってはいささか否定的なようです。「なぜ多くの人が嫌うのか」や「実際のところサービス残業だろう」などといったコメントが微博(ウェイボー)で多く見られました。

社員はなぜチームビルディングを嫌うのでしょう。

訓練型の研修は、会社に行くよりも疲れるし、リーダーやあまり親しくない同僚とゲームをすることは、気まずい社交場のようなもので、精神的な拷問と考える人が多い。参加は強制で、貴重な週末が奪われ、場合によっては自腹を切らなければならないというのは、社員にとっては地獄とも思え、チームビルディングや研修が終わった直後に「離職率が高くなる」ほどだ。

今回「深燃」では軽い食事をしながら、チームビルディングでの不快な体験について6人の方が話してくれました。

カラオケ大会で社長の怒りを買い、次の日に会社を辞めることになった人がいました。

またはチームビルディングのはずが、女社長の指示で彼女の別荘を掃除する羽目になる人もいました。

さらにはアイランドリゾートのはずが、なぜか寺に行って写経していた人もいました。

あるいは、部長が部下の士気を高めるべく食事会を開くも、まさか部長が最初に解雇されるとは思ってなかった人まで。

彼らと話をする中で、「深燃」は多くの人がチームビルディングに憤りを感じていることを知りました。社員の気持ちを考えず、上司の自己中心的なチームビルディングで貴重な週末が消え、プライベートな空間や時間が侵害され、オンオフの境目がないのがチームビルディングです。

社員が楽しみにしているのは、仕事以外の同僚の別の一面を発見し、お互いをよく知ることで、今後より快適な共同作業ができるような、シンプルで負担のないチームビルディングです。

残念ながら、そのような機会は非常に少ないようです。

社長と一緒にカラオケを歌わなかった実習生、翌日には解雇される

劉理さん|28歳、インターネット企業の営業職

私たちの会社では「チームビルディング」はめったにありません。なぜなら、1週間に1回は何がしかの社内イベントがあり、それもチームビルディングに相当するからです。ほとんどは、飲み会、カラオケ大会、マッサージです。

すべてのチームビルディングは、社長を中心に、つまり社長が楽しむために行われます。社長は楽しい時間を過ごすのが好きで、しかもカオスな状況の中で社員を観察するのが趣味です。だから飲み会やカラオケに行くことは、私たちにとっては試練でした。社員として存在感がなさすぎたり、アピールが足りていないのも良くないため、それぞれが自分の役割をしっかり果たす必要があります。

社長は、80年代や90年代の古いポップス曲を好んで歌いますが、私はその多くを聞いたことがありません。カラオケ大会では、社長が思いっきり歌い、みんなにも歌わせていたのを覚えています。しかし、私たちが古い曲をあまり知らないため、一緒に歌うこともできず、何となく口パクで合わせるぐらいしかできませんでした。

その時「私は歌えません」とはっきりと拒否し、ただ座っているだけの実習生がいました。

カラオケ大会の翌日、その実習生のデスクスペースには誰もいませんでした。当時、同僚たちの間では、社長が「歌えないスタッフは優秀ではない」と言っていた、という噂が流れていました。

ある時、社長が難しい曲を選んでしまい、高音のフレーズが歌えなくなってしまった。そこに舞い降りてきたのがやり手部長、おもむろにマイクを持つと高らかに歌い出し、残りの部分もしっかり歌い上げた。社長は「君は歌がうまい!とてもいい!」と絶賛していました。

その後、しばらくしてこの部長は会社を去っていきました。

社長は高学歴でもないのに、インテリ芸術家気取りが好きで、特に利き酒遊びが大好きです。ですので、私たちのチームビルディングではとにかくお酒を飲むことが大事です。毎回、全員がひどく酔うほど飲むことになります。実はほとんどの社員はそこまで飲みたくはないのだが、仕方なく毎回一緒に飲んでいるのが現状です。

あるとき、みんなが酔っ払っているときに、同僚の一人が「木に桃の実がなっているから社長のために登って桃を採りたい」と言って木に登り始めました。そして、木をつかんで一生懸命登っている最中に吐いてしまったのです。その光景は見るに耐えないものでした。

今の会社は営業を重視しているので、チームビルディングは企業文化の1つと言えます。だからチームビルディングの回数がやたらい多いです。しかし、私はこのような社内イベントにはかなり抵抗があります。なぜなら、チームを第一に考え、社員の気持ちを第一に考えるべきだと思いますし、このようなチームビルディングに参加する度に重荷を背負わされている気がしてなりません。

社長はこの形式が好きなのかもしれませんが、社員数が増えてくると、社内イベントで社長に何かを見せたい人が必ず出てきて、結果的にチームビルディングの本来の目的から外れてしまうでしょう。社員たちだけのプライベートなアクティビティの方が快適だと思います。

罰ゲームのような20kmハイキング、途中でタクシーを利用した

リリーさん|26歳、ショートビデオ運営会社

チームビルディングは社畜が必ず参加しないといけないトレーニング研修みたいなものです。私は大学卒業後、多くのチームビルディングに参加してきましたが、そのほとんどは食事とカラオケです。食事であれば、火鍋、串料理、あと焼肉とか、楽しく話して美味しい食事するのはいいものです。同僚たちは食後に「人狼ゲーム」をしていました。私は得意ではないですが、一緒にやると楽しかったですね。

今まで参加したチームビルディングの中で一番大変だったのはハイキングでした。当時、私が勤めていた会社では、会社の設立記念日のたびに20キロのハイキングを企画して、実際に山を歩くという習慣がありました。私がいた年は設立10周年で、社員全員がハイキングに参加しなければなりませんでした。

当日、数キロ歩いたところでもう歩けなくなり、「自分は何をやっているのか」ということばかり考えていました。こんなことをして何の意味があるのかわからなかったですが、文句を言う勇気もなかったので、みんなと同じ制服を着て、ただ黙々と歩くしかありませんでした。

しかし、もうこれ以上歩けないほど疲れてしまい、前後に誰もいないことを確認し、スマホのアプリでタクシーを呼んでみた。まさかこんな山道で注文を受けてくれる人がいるとは思っていませんでしたが、トイレを探していると嘘をつき、大人数のグループから数百メートル離れた所で、こっそりと車に乗り込んだ。車に乗った瞬間、肉体的にも精神的にも救われた気がしました。

ハイキンググループの前をタクシーが通り過ぎたとき、同僚に制服が見られないかと心配になり、急いで後部座席に寝そべって隠れました。私がズルしたことがリーダーにバレないよう、ゴールの少し手前で車を降り、脇道の茂みに隠れ、ほとんどの人がゴールしたのを確認してから茂みから出てグループに合流しました。

ハイキングの後はホテルで文化的なパフォーマンスが行われました。各部門の合唱コンクールがあり、最後に社長のスピーチがあり、間延びした式典が終わった時には、全員の疲労が極限に達していました。朝7時にオフィスビルの1階に集合したのに、自宅についた時は夜9時を過ぎていました。

リーダーがチームビルディングを望む理由は理解できます。チームビルディングは会社(または上司)の価値観を浸透させ、同僚をより身近にし、親しみを持たせ、より良い仕事をさせ、部門の生産性を向上させます。先に述べた食事とカラオケは、実際にこの目的を果たすことができ、仕事以外の同僚の素敵な一面を見つけることができます。

しかし、できればチームビルディングの回数は減らした方がいいと思います。若者はすでに仕事で消耗しており、仕事以外のプライベートな時間を大切にするでしょう。もっと言えば、週末にグループビルディングや社員旅行に行くことは、サービス残業だと思います。ましてスローガンを読み上げたり、そのような行為を強要させれば、もっと不快になるでしょうし、そんなチームビルディングには私も参加したくありません。


チームビルディングや社員旅行が原因で会社を去る中国人社員(中)」に続きます。

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