今回は「チームビルディングや社員旅行が原因で会社を去る中国人社員(上)」の続きです。
路上に出て募金活動を強要され、御涙頂戴な語りで涙を誘ってくる
張スネ毛さん|29歳、国際物流会社勤務
2014年にインターンを始めた時に人生で初めて社員研修というものを経験し、それは私の完全な黒歴史です。
※中国語で「チームビルディング」はそのまま「団建」ですが、この回では「社員研修」と訳した方が自然な気がしました。
初日は、講義を聞いたりスローガンを唱えたり、ゲームをしたりすることが主な内容で、ごく普通でした。2日目、社員研修のテーマが「募金」になり、通りすがりの人から小銭を出してもらい、寄付の合計金額をグループで競うというもので、正直、違和感しかありませんでした。
当日は、IDカードや労働許可証などの有効な書類を提出し、グループごとに募金箱が渡され、通行人から「募金」を始めました。一日かけて掃除部のおばちゃん二人は、ついに洗車場で10元を手に入れた。洗車場のオーナーを口説いたのではなく、詐欺師と思われ、「ほっといてくれ、10元やるから出て行ってくれ!」と言われたからだ。
研修はまだ終わっていなかった。3日目には、200人以上の社員が一人ずつステージに上がり、自分の体験談を語ることになりました。午後10時になると、ようやく全員が終了し、司会者が登場して煽り始め、話しながら照明を消し、さらに煽りBGMを流しながら、「愛する人に会いたいですか、同僚を愛していますか」と魂の問いかけをしてきた。「抱きしめて、泣いて、感情を吐き出して」と言うと、多くの人が泣き出しました。
私は床に座り、天井を見ながら言葉を失っていた。
そして、やっと最後までたどり着いたと思ったら、まだ始まってもいなかったとは。
この社員研修の後、リーダーたちは「心の成長」がとても効果的であると考え、毎日会社で小さな研修を開くことにした。
毎朝8時には全社員が整列して「信じている、燃えている、苦しんでいる」などのスローガンを叫び、社員は交代でショーやゲームをすることになった。ある日、自分の番になったとき、みんなに歌を歌ってスピーチ台から降りた。その後、部長から「もっと勉強してくれ」という通達があり、私は退職届けを出しました。
教育レベルが低いその会社のリーダーたちは、このような「精神的な成長」が社員をより親しみやすくし、会社をより良くすると信じていましたが、実際にはこのような形の研修は、多くのマルチ商法やブラック企業が利用しており、研修の目的は、社員の自尊心を打ち砕き、より低姿勢で仕事に向かわせることだ。
「生活のために働けさえできるなら、この世にあなたを打ち負かすものは何もない」といったスローガンで我々を洗脳させるために行っているのだ。
その後、この社員研修をネットの掲示板で投稿したところ、ネットユーザーから1万件近い「いいね!」をもらいました。「チームビルディング」に悩む人は多いようです。リーダーがチームビルディングを開催するのは、お互いの距離を縮めたいからですが、私が思うに、仕事というのは実はお金を稼ぐために働いているだけで、チームビルディングが食事やおしゃべりをするだけならいいのですが、先に述べたような不可解な活動であれば、まったく必要ありません。
社会人になって7年目を迎えた今、私が良かったと思うチームビルディングは、会社が山や海辺にコテージを借りて同僚とバーベキューをして過ごしたことと、数人で80インチの大きなテレビで一晩中映画を見ていたことがあり、楽しかった記憶として残っています。

料理をしながら仕事をこなし、昼食後には社長の別荘をみんなで掃除
チェンシーさん|25歳、MCN代理店勤務
私たちは女社長が所有する別荘の地下室で仕事をしているのですが、同僚たちとのチームビルディングはこれまで2回あり、どちらも社長の別荘で晩御飯を食べるというものでした。
1回目は社長が、鍋料理やバーベキュー、ゲームをして楽しもうと言い出した時でした。朝10時になると、社長は数人の社員に買い出しに行かせ、残った社員は食材を洗うなどの準備作業をしていた。しかし、その時間は1日の中で最も忙しい時間帯であり、誰も手が空いていなかった。社長は、私たちが非協力的だと文句を言い、1階のキッチンで働くよう、名前を呼び上げた。
クライアントとの仕事と羊肉の串刺しを同時にこなさなければならず、撮影プランについてクライアントと電話で話しながら、手でニンニクを剥いている人もいました。昼食後、女社長が突然「あなたたちのせいで家の中がくちゃくちゃよ」と言い出したが、正直なところ、私たちはキッチンと地下のオフィスにしか行っていない。最終的には、キッチンとリビング、そして2階にある彼女の書斎と寝室の掃除もさせられた。
それだけではなく、午後になって、庭に置くための白い風車が届いたのですが、社長から、その風車を組み立てるのを手伝ってほしいと言われました。数人が4時間かけて何とか組み立てが終わった時に、女社長がゆっくりとやってきて、「午後は特に何もしていないのに、なんでそんなに疲れているの?」と言い放った。

その夜、同僚たちは機嫌が悪く、全体的に気まずい雰囲気の中で夕食を取りました。そのチームビルディングの後、3人の同僚が次々と会社を辞めていったのですが、ある同僚は「あのチームビルディングは実に不快だった」、「私たちは仕事をしに来ているのであって、社長の雑用を手伝うために来ているのではない」、「あの女社長はオフとオンを混同している」とはっきり言ってきました。
その後、もう一度チームビルディングが開催されました。本来はレストランで食事をした後にカラオケに行く予定でしたが、なぜかまた彼女の小さな庭で鍋パーティになってしまいました。すでに6月になっていて外は暑く、料理の準備がなかなか進みませんでした。始まって間もなく、鍋の中にたくさんの虫が落ちてきたため、みんな食べなくなりました。
その後、数人で1時か2時まで飲んでおしゃべりしていましたが、最後は一人の同僚を説得していました。なぜなら、その同僚は「社長のお母さんに、何かあるといつも車の運転を頼まれ、社長一家のお抱え運転手になっている」と打ち明けてきたからだ。みんなで彼の状況を分析し、彼が会社にいる意味がないということで意見が一致し、その同僚はすぐに辞めてしまいました。
仕事で忙しい一日を終えてリラックスするためにも、同僚がお互いをよく知ってよい仕事ができるようにするためにも、チームビルディングは重要だと思います。しかし、私たちが好きなチームビルディングは、上司のいないチームビルディングです。同僚は基本的に同年代で、上司と私たちの間には世代間ギャップがあり、彼女がいろいろなことを理解していないのに、私たちがそれに合わせなければならないときは、とても疲れます。
それと「Truth or Dare」のようなゲームは好きではありません。この種のゲームは、単に他人のプライバシーや秘密を暴露させて笑うためだけのものです。たとえ友人であっても超えてはいけない境界線はあると思いますし、まして同僚とはこのような話をしたくはありません。
「チームビルディングや社員旅行が原因で会社を去る中国人社員(下)」に続きます。