中国メディア「鏡子另一面」から「中国の第二世代の身分証(IDカード)は、日本の技術で作られていた? 中国には技術がない?」を紹介します。

中国人にとって身分証(IDカード)は非常に重要なものだ。IoTの普及に伴い、チケット購入や病院での登録など、本人確認のためにIDカードの提示が必要になっている。美容整形が盛んな昨今、身分証明書がなければ自分であることを証明できないといっても過言ではない。
つい20年近く前まで、中国人はまだ第一世代のIDカードを使っていた。それは、顔写真、名前、性別、民族など身分を証明できる情報を記載し、戸籍事務所の印鑑を押して、偽造防止情報を記載したビニール封筒で覆えばIDカードができあがるという非常にシンプルなものであった。第一世代IDカードは一定の技術水準に達していなかったため、偽造がとても容易だったのだ。

2004年以降、IDカードは飛躍的に進化し、素材が硬くなり、耐摩耗性が向上しただけでなく、読み取り可能なチップが埋め込まれ、特定の機械にかざすだけで個人情報がすべてコンピューター画面に表示されるようになった。また、第二世代のIDカードは見た目も大きく変わり、顔写真が白黒からカラーになり、フォントも鮮明になったため、第一世代IDカードよりも目の前にいる人が、IDカードの個人情報と一致しているかどうかを識別しやすくなっている。
しかし、第二世代IDカードが導入されて以来、インターネット上では「中国の第二世代IDカードは日本製だ」という噂が流れ、「自分の個人情報が日本に盗まれないか」と心配する人さえいる。中国の第二世代IDカードは、日本製ではなく、製造工程で日本の機械や技術を使っているに過ぎないことを理解する必要がある。
そして、この技術はカラー印刷であり、使われている機械は日本の富士ゼロックス製のカラープリンターである。

第二世代IDカードのほか、中国のパスポートや各地の住民の一時滞在許可証も、日本の富士ゼロックス製プリンターで作成されている。このカラー印刷の分野では、中国市場の大半を日本の富士ゼロックスに完全に取られてしまったと言える。中国では34の省、31の地方公安当局の出入国管理部門がこのプリンターを導入していることが分かっている。このように、中国の身分証はすべて日本の富士ゼロックスと切っても切れない関係にある。
この点、改めて「日本のこの技術に頼らざるを得ないのか」と思われる方も多いのではないだろうか。中国はカラープリンター技術を持っていないのだろうか?
もちろん、20世紀初頭の中国には、その要件を満たす高速カラーデジタル印刷機を製造できる企業が本当に存在しなかった。当時、方正電子(ファウンダー・グループ社)もその分野に参入したが、技術不足で惨敗した。
そして現在、一部の中国企業は、そのようなカラープリンターを製造する技術を持っているかもしれないが、特許による制限や業界トップからの圧力の問題もあり、短期間で、部品から形状まで完全に中国製のラベルを貼った高速カラープリンターを開発することは難しいようだ。なぜなら、この分野はこれまで数十年の間に日米の企業で完全に牛耳られ、中国のプリンター産業は手付かずのままだったからだ。

これには多くの人が憤慨しているが、しかしながら日本企業が持つ「職人気質」は、中国の多くの企業が見習うべき部分であることも確かだ。細部にまでこだわる姿勢や、何事にも卓越した精神は見習うべきものがある。日本、ヨーロッパ、アメリカの特許管理を突破するのが難しいことは誰もが知っている。しかし、中国はすべての困難を乗り越え、すべての山を越えて、独自のカラープリンターを作ってくれると信じている。どんなに時間がかかっても、中国人の粘り強さと努力で、待ち望んでいたゴールにたどり着けることだろう。
おわり

15年ほど前の話になるが、当時、静安寺にあったクラブで上海人の女性と知り合い、すぐに男女の関係となった。彼女は実家暮らしをしていたが、一人暮らしがしたかったようで、一緒に上海地下鉄3号線「中潭路站」近くの新興開発地区にある賃貸マンションを見に行った。その帰り道、彼女は私に敷金と先払い賃貸料の一部が足りないから2,000元(3.8万円ほど)だけ貸してくれないかと聞いてきた。
当時はまだ出稼ぎの料理人の1ヶ月給料が1,000元ほどだった時代であり、2,000元は小さい額ではなかった。私は躊躇しながらも貸してあげることにした。彼女のIDカードと引き換えに。
そのまま二人で銀行のATMに行き、2,000元を引き出して彼女に渡し、代わりに彼女のIDカードを担保に取った。これでひとまず「踏み倒し」はないだろう、と思っていた。
その後、彼女からの連絡は一切なく、こちらから電話をしてもつながることはなかった。手元に残った彼女のIDカードを見ながら、同僚の中国人にそれとなく中国のIDカードのことを聞いてみた。
「身分証は公安で紛失届を出して申請すれば、200元ほどで再発行ができるんだよ」