上海のロックダウン関連ニュースは、日本でも連日大きく報道されていますが、つい先日、日テレNEWSでこのようなニュースが流れました。
「中国・上海市は16日、6月下旬までに封鎖を解除する方針を示しました。これに対し、最大であと1か月半も封鎖が延長される可能性があるとして、上海を離れる人が駅に殺到しました」
まるで上海から大量疎開するような画はなかなかインパクトがありますが、今上海から離れるのはどのような人たちなのでしょう。そんな疑問に答える記事がありました。
中国メディア「精英資訊」から「上海から離れるのはどんな人たち?」を紹介します。

上海の陽性反応者の数が減ってきている中、鉄道や空港の運行も限定的ながら徐々に動きつつある。現在、上海虹橋駅のみ再開しており、5月15日には6,000人以上が高速鉄道の乗って上海を離れた。
正直なところ、北京や上海から逃げ出した人たちは、どこに行ってもあまり歓迎されないのではないだろう。(理由は後述します)
現在、上海市内の公共交通機関は復旧しておらず、タクシーも走っていないため、多くの人は上海の西の端にある虹橋駅までの何十キロの距離を徒歩とシェアサイクルで向かうことになる。荷物を引いて、歩き疲れたら道端で休み、夜には寝袋を出して寝る。車はほとんど走っていないため、さほど危険ではなさそうだ。
しかし上海から離れても移動先で隔離下に置かれることがわかっていながら、急いで離れる人たちは、いったいどんな人たちなのだろうか?
まず、上海人であれば離れることはないだろう。彼らはそこに住み、そこに家族がいて、家も子供もキャリアもすべて上海にあり、街から離れることはそう簡単ではない。
つぎに、上級管理職のポジションに就く外地人、彼らも上海を離れないだろう。この人たちはすでに上海に定住し、家を買い、家族も住んでいる。
そして中級管理職のポジションで働く外地人、彼らも上海で家も買い、現在、住宅や車のローンを返済している最中で、家族も基本的に上海で仕事に就いている。特にキャリアを考えると上海を離れることは最良とは言えず、もし子どもがいる場合は、なおさら上海に留まらなければならないだろう。
上記を除く人たちは上海を離れてもそれほど問題はなさそうだ。いわゆる上海で出稼ぎ労働者として働いている人たちである。上海に頼れる人がいない彼らは、時間制限付きの解放期間中に、冷淡さが残る上海の街から逃げ出すことを望む。
これらの上海から離れる出稼ぎ労働者の多くは、この2ヶ月間収入がほぼ無くなった上、ロックダウン中の物価上昇に我慢出来なくなり、脱出することを選んだのだろう。果たして彼らは、こんな無残な姿になってしまった上海にまた再び戻ってくるのだろうか?
まだまだ先は長い、少しずつ前進するほかなさそうだ。
筆者は現場に居合わせたわけではなく、様々な映像やニュースから今回の事件を分析したにすぎず、また特定のグループをターゲットにしたものではないことをお伝えしておく。
おわり