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CPTPP加盟申請を進める中国の考え

cptpp

中国メディア「牛弾琴」から「中国がこの組織への加盟を申請したのは、素晴らしい外交術だ」を紹介します。


昨年、中国が加盟を検討していることを聞いた時、私は「これはとても意義があるもので、2年後、5年後、10年後には重要な役割を果たし、広範囲に影響を与えるだろう」と述べた。

どの協定に加わるべきか、それはもちろんCPTPPだろう。元々はアメリカと日本が主導していてTPP(環太平洋パートナーシップ協定)と呼ばれていた。

9月16日、中国商務部長の王文涛氏は、中国はCPTPP保管国であるニュージーランドへの正式加盟申請書を提出するとともに、ニュージーランドのオコナー貿易・輸出成長大臣と電話会議を行い、中国の正式加盟申請に向けた手続きについて連絡を取ったと語った。

中国は加盟の素振りを見せているだけではなく、かなり本気だ

この中国の方向転換は、案の定、海外で大きな物議を呼んだようだ。中国の積極的な行動に多くの国々が驚きを隠せなかったのも仕方ないことかもしれない。なにせ4、5年前では考えられなかったことなのだから。

CPTPPはかつてTPPと呼ばれていた。オバマ政権下のアメリカが、アジア太平洋のリバランスを推進し、アメリカの強い影響下でTPPが作られていた。

この組織の12人のメンバー国を見るとしよう。

アメリカ

日本

カナダ

オーストラリア

シンガポール

ブルネイ

チリ

マレーシア

メキシコ

ニュージーランド

ペルー

ベトナム

このうち7カ国はRCEPにも加わっている。しかしもっと重要なことは、この組織には、アメリカ、日本、マレーシア、ブルネイ、さらにはベトナムなども含まれているが、中国が含まれていないということだ。

誰に対抗するために作られた協定なのか。もう言わなくてもわかるだろう。

しかし、TPPは情勢の変化に追いつくことができず、2017年、トランプ氏が大統領の座を勝ち取り、ホワイトハウスに入ってまず行ったことは、安倍元首相の提言にもかかわらず、TPPをゴミ箱に投げ捨てるための大統領署名だった。

残された日本と他のメンバー国は、アメリカ抜きのCPTPPを打ち出した。

長男のアメリカがいなくなったとはいえ、この協定が対象とする人口は約5億人、GDPは合計13.5兆ドル以上で、世界経済の約13%を占めているという事実を過小評価することはできない。RCEP協定が締結される前は、アジア太平洋地域で最大、世界でも3番目に大きなFTAネットワークなのだ。

当初TPPは、中国に対抗することを目的としていたにもかかわらず、世界の変化が激しく、先頭を走っていた長男のアメリカが真っ先に逃げだしてしまったため、次男の日本は必死にCPTPPという新たな枠組みを作り、そして先日、中国が正式にCPTPPへの参加を申請したという形だ。

中国政府が一体何を考えているのか、私にはわからない。しかし、国際情勢から見て、私は中国がCPTPPに参加することを以下の理由から主張してきた。

1)アメリカが組織から脱退したことで、CPTPPの不確実性が小さくなった。

2)現在のCPTPPのリーダーは日本だが、日本や他のメンバー国は、CPTPPをより強く大きくするために友達の輪を広げなければならず、中国こそが最良のメンバー国となり得る。

3)RCEPはすでに成立しており、さらにCPTPPに参加することで、中国は友達の輪をさらに広げることができ、地域経済や中国経済にとっても有益であり、世界は、中国の改革開放の確固たる態度を再び見ることになる。

中国のCPTPP加入はすべてのメンバー国にとって有益

ピーターソン国際経済研究所の調査によると、中国がCPTPPに参加した場合、中国のGDPは2030年までに2,980億ドル増加し、他のCPTPP加盟国も大きな恩恵を受け、6,320億ドルの所得増加が見込まれている。

これは、すべてのメンバー国にとって真のWin-Winではないだろうか。

この世界で唯一確実なことは、不確実性があるということだ。

アメリカでバイデン政権が始まった時に使われたスローガンは、アメリカ・イズ・バックで、多少なりともCPTPPにも関心を示していた。

むしろ日本はアメリカの復帰を心待ちにしているため、今回のCPTPP協定では、元々アメリカが主張していた20項目を凍結し、アメリカの復帰の余地を残している。

しかし今回の中国の先制的な動きは、アメリカに微妙なジレンマをもたらした。

アメリカは恥ずかしい思いをしたに違いない。バイデン大統領が再び参加するのかという質問に対して、ホワイトハウス国家安全保障会議のスポークスマンは、「バイデン大統領はTPPのデザイン構造には参加しないと明確に言っている」と答えた。

いくらアメリカ人の面の皮が厚くても、連打されてはたまらない。

つまり、前身のTPPは剣を中国に向けたもので、中国は受け身の立場であったが、今回、中国は一気に反撃を翻し、受け身だった立場から主導権を握ってしまったということだ。

高度に熟練した外交大国とは、率先して行動し、強大な敵を仲間に変え、共にルールを作ることである。

これこそが謀略であり外交術である

私はいつも謀略と外交術の裏に、中国の大国としての自信があると感じている。

私たちは歴史の正しい側にいるため、今でも経済のグローバル化を信じており、RCEPだけでなく、CPTPPだけでなく、近い将来には日中韓の経済貿易圏が待っていることも考えておく必要がある。

ピンチの中にこそ、チャンスがある。これはWTOに加盟したときもそうだったが、RCEPへの加盟申請をしている今もそうで、中国は改革を強制し、常に危機をチャンスに変えてきた。

実はこの中国の動きは日本にもジレンマをもたらしている。日本はアメリカの復帰を待ち望んでいるが、アメリカが来ることはない。中国が加盟を申請した今、日本はそれを拒否するだろうか、それとも歓迎するだろうか。

拒否すればCPTPPの本来の趣旨に反することになり、ビジネスの大きな機会損失となる。歓迎すれば、日本はアメリカを怒らせることになるだろう。

しかし、この一連のすったもんだの後、世界は、これまで多くのFTAはアメリカ主導で進んできたが、相次ぐアメリカの撤退により、アメリカがいない方がスムーズに進むことを知った。そして巨大な市場と開放的な姿勢を持つ中国は、最高のパートナーとなるだろう。

中国に対抗するために作られた組織に、中国が積極的に参加しようとしている。そして組織から去っていったアメリカが今では気まずそうに見守っている。

外交戦術の背後には壮大なチェスゲームが控えている。

おわり


アシスタント

中国なかなか面白いですね

ADKD編集長

ピンチをチャンスに変えるセンスあるね

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