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未成年によるゲームのプレイ時間は週3時間まで、テンセント、ネットイーズ株価暴落

中国ゲーム規制

中国メディア「北京商報」から「未成年がオンラインゲームをプレイできるのは週3時間まで。テンセント、ネットイースの株価急落、大人のユーザーを惹きつけることができるか」を紹介します。


未成年者のオンラインゲームへの「過度な依存」を防ぐために、国家の関連部門は重い腰を上げた。これまで各企業が勝手に設定していたプレイ時間の長さよりも、公式の要件ははるかに厳しいものだ。

中国国内のオンラインゲーム会社は、金曜日、土曜日、日曜日および法定休日の夜8時〜9時の間に限り、未成年者に1時間のサービスを提供することができる。

実名で登録・ログインしていないユーザーに対しては、いかなる形でもゲームを提供することはできない。

このニュースが伝わると、米国の株式市場が開く前に「ネットイーズ」の株価は8%も下落した。

8月30日、国家新聞出版局が「未成年者のオンラインゲーム依存症を効果的に防止するための更なる厳格な管理に関する通知」を発表した。

「最近、一部の若者のオンラインゲームへの依存が、通常の学業生活や心身の健康に深刻な影響を与え、さらには一連の社会問題にまで発展している。そして多くの保護者を苦しめ、人々の心の痛みとなっている。実名認証の厳格な実施や、未成年者へのオンラインゲームサービスの提供時間帯のさらなる制限と短縮など、現実的な対策が講じられることを期待している。」

国家新聞出版局が出した通知の背景についての質問に、担当者はメディアにこう答えた。

実は2019年以降、オンラインゲーム事業者は未成年者にゲームサービスを提供する際、法定休日は1日合計3時間以内、それ以外の時間帯は1日1.5時間までと定められていた。

これに対し、多くの子供を持つ親は「まだ規制が甘い」という考えを持っており「より厳しい規制をかけるべき」という提案が出されていた。国家新聞出版局の担当者は「今回の通知では、未成年者の学習生活と健全な成長の必要性を考慮し、オンラインゲーム企業が未成年者にオンラインゲームサービスを提供する期間をより厳しく制限している」と述べている。

通知が出た後、オンラインゲーム会社は、大手を中心にすぐに対応した。

「テンセント」のゲーム部門関係者は「北京商報」に対して「テンセントは2017年から現在に至るまで、未成年者の保護を中心とした新技術や機能の様々な自発的な研究と応用を続けてきた。所轄官庁の最新の要求に基づいて、テンセントは厳密に遵守し、積極的に実行していく。」と答えた。

また「ネットイーズ」の関係者が「北京商報」に語ったところによると「同社はこれまでも未成年者の保護を中心に積極的に行動しており、未成年者のためにグリーンで健全なオンライン環境の構築に努めてきた。国家新聞出版局の最新の通知と要求に対応して、ネットイーズは厳格に遵守し、積極的に実施していく。」そうだ。

国内のオンラインゲーム市場で君臨し続ける国内ツートップの「テンセント」と「ネットイーズ」に加え、他の中堅ゲーム企業も対策に乗り出しており、例えば「盛趣遊戯」は「自社のオンラインゲームの依存防止メカニズムの改善を続け、オンラインゲームにおける未成年者の依存防止作業を実施していく」と述べている。今後「盛趣遊戯」は、依存防止システムを引き続きアップグレードし、AIや機械学習技術、生体認証技術を利用して人とIDを紐付け、ユーザーがID情報を捏造して検証を通過することを防止する。

また「巨人網絡」は、実名登録システムの導入、実名認証システムへのフルアクセス、未成年者の厳格な管理、未成年者の親権者用プラットフォームの作成など、未成年者保護の分野で長年にわたり努力を続けてきた。今後「巨人網絡」は、所轄官庁の最新の要求事項に基づき、これを厳格に遵守し、積極的に実施するとともに、社会の各界と協力して未成年者の健全な成長に資する良好な環境を整備していくそうだ。

国家新聞出版局の要求がいつ実行されるかについては、具体的な時期は示されていない。

これまでの企業の対応の速さを見ると、実施のタイミングは決して遅くはないと業界関係者は考えている。8月3日の朝、オンラインゲーム会社の「課金システム」と「未成年者のゲーム中毒」に対する中国当局の見解が公に述べられると「テンセント」の市場価値が一時、数千億香港ドルほど吹き飛んだが、同日の午後「テンセント」は自社の大人気ゲームである「King of Glory」の健康システムのアップグレードを発表した。未成年者は毎日、夜22時〜朝8時の間はプレイが禁止され、国民の祝日は毎日2時間、それ以外の時間は毎日1時間に制限されているという。

オンラインゲーム会社が青少年モードで次々とオンライン化した2017年から、国家新聞出版局が未成年ユーザーにオンラインゲームサービスを提供する時間をさらに圧縮した現在まで、オンラインゲーム会社が未成年ユーザーを取り込む時間はどんどん短くなっているが、これはオンラインゲーム会社にどのような影響を与えるのだろうか。「テンセント」の最新の財務状況を見れば、その一端がわかるかもしれない。

「テンセント」は、2021年第2四半期の業績報告において、未成年者のゲーム配信の割合を初めて開示し、16歳未満の未成年者がテンセントの中国におけるオンラインゲーム配信の2.6%を占め、そのうち12歳未満の未成年者は0.3%だった。収入面では「テンセント」のゲーム収入が前年同期比12%増の430億元(7,500億円)となり、テンセントの付加価値サービスの最大の収益源となっている。

課金の割合で言えば、16歳以下のユーザーは「テンセント」の収益にさほど貢献しておらず、未成年者のゲーム時間を厳しく管理しても、テンセントのゲームへの影響は限定的だ。未成年ユーザーがゲーム会社に貢献するのは、決して収益ではなく、彼らの時間やゲーム内の活動量である。オンラインゲーム会社が未成年ユーザーの獲得を重視するのは、このユーザー層の将来の課金能力に期待しているのはもちろんだが、その他の理由として、ゲーム内の活性化もあるからだ。未成年者のゲーム利用時間が厳しく管理されている現在、オンラインゲーム会社はゲームの運営の大部分を成人ユーザーに頼るしかないが、このグループのユーザーの活動量をさらに高めるのは簡単ではない。ゲーム業界のアナリストである李錦氏は「北京商報」に対し「大人のユーザーは自制心が強く、娯楽の選択肢も多いため、オンラインゲーム会社は大人のユーザーを維持し、同時にゲームの活性化を図るために、より多くの施策を取らないといけなくなるだろう」と述べた。

おわり


アシスタント

養分となる無課金キッズプレーヤーがいなくなったら、ゲームが退屈と感じる課金ユーザーが増えそうな。

ADKD編集長

現実世界の勝ち組は、ゲーム世界でも勝ち組だからな。

アシスタント

ゲームの活性化低下問題はゲーム会社はどうやって対応するべきでしょうね。

東南アジアなど比較的文化が近く、取り込みやすい地域でのプロモーションを加速して、活性維持をするんじゃないかな。

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