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台湾のロケットHAPITF-1(飛鼠一号) 三回目の打ち上げも失敗

台湾ロケット

中国メディア「火星一号」から「3度目の打ち上げ失敗!台湾のHAPITF-1(飛鼠一号)ロケットの点火不調で発射台が炎上」を紹介します。


9月16日午後、台湾の自作ロケットHAPITF-1の発射台が点火不良で炎上し、地元の消防が駆けつけて消火活動を行った。3度目の挑戦となったHAPITF-1の打ち上げは、前回と同様に失敗に終わった。

HAPITF-1は、台湾の民間ロケットメーカーが開発した、全長10メートル、直径1.5メートル、離陸重量3トンの軽量2段ロケットだ。推進剤は、固体のブチルゴム(燃料)と液体の亜酸化窒素(酸化剤)という、現在の大型ロケットでは効率が悪いために見られない固液混合のものだった。

実はHAPITF-1は観測用ロケットに過ぎないのだが、その理由は推進剤の効率が良くないためだ。理論上の最高高度は270km、最高速度は2km/秒である。しかし、いずれにしてもこの軽いロケットでは、軌道上に荷物を運ぶことはできない。

仮にこのようなロケットが高さ100kmのカーマンラインを越えて宇宙に進出できたとしても、重力の影響に抵抗する横方向の速度がないため、すぐに落ちてしまい、地球をずっと周回することはできない。少し前にブランソン氏らがヴァージンギャラクティック社の宇宙船で「宇宙旅行」をしたが、実際には約4分間しか無重力状態を体験できないサブオービタル飛行(弾道飛行)だった。

衛星や宇宙船を軌道に乗せるためには、より強力なロケットが必要であり、推進剤はすべて固体またはすべて液体でなければならない。大量の推進剤を燃焼させて強力な推力を得ることで、宇宙船の横方向の速度を第一宇宙速度、つまり秒速7.9kmまで加速することができる。宇宙船がこのように高速になると、重力に打ち勝って宇宙空間を移動することができ、地球の軌道に留まることができるわけだ。

宇宙空間を飛行する宇宙船は、基本的には慣性力に頼っており、常に動力を必要とするわけではない。低軌道の宇宙船の場合、まだわずかに地球の大気の抵抗を受けているため、軌道は徐々に低下していく。例えば、高度420kmの地球近傍軌道を飛行する国際宇宙ステーションの軌道は、1ヶ月に2kmずつ低下していくため、軌道を高くするためには、間隔を空けてロケットエンジンを噴射する必要がある。

高軌道の宇宙機は、基本的に地球の大気による抗力の影響を全く受けず、長期間地球の周りを周回することができる。例えば、1970年に打ち上げられた中国の「東方紅1号」は、近地点高度430km、遠地点高度2030kmで、51年後の現在も宇宙空間を飛行している。

このように、軌道宇宙飛行とサブオービタル飛行の違いは明確で、前者の難易度は比べ物にならないほど高い。とはいえHAPITF-1の場合は打ち上げを実現するのが難しく、これまでに繰り返し失敗をしてきた。

遡ること2019年12月、台東県で初の打ち上げミッションに臨んでいたのだが、土地の問題で地元の村人の抵抗を受け、発射には至らなかった。それから2カ月以上が経過し、再び打ち上げに臨んだHAPITF-1は、ロケットに点火したものの、天候の影響で別のシステム障害が発生し、ロケットは離陸しなかった。

今年の9月、HAPITF-1はオーストラリアのSouthern Launchの発射台に移された。オーストラリア宇宙産業協会の責任者は、過去40年間にオーストラリアで打ち上げられたロケットの中で最大のものであり、オーストラリアが宇宙に戻るための非常に重要な手段になるだろうと述べていた。

9月10日にはオーストラリアで初の打ち上げが予定されていたHAPITF-1。15日にも挑戦したが、カウントダウンの際にシステムが脱落してしまい、再びミッションは中止された。

16日、HAPITF-1は3度目の打ち上げを試みた。今回はカウントダウンが成功し、ロケットに点火されたものの、発射台が炎上するほどの不具合が発生し、3度目の失敗となった。地元の消防隊も緊急出動し、燃え盛る発射台の火を消していた。

おわり


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